【代々木公園スタジアム】金山淳吾渋谷区観光協会代表理事が方向性など発表 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【代々木公園スタジアム】金山淳吾渋谷区観光協会代表理事が方向性など発表

 産官学民の連携組織「渋谷未来デザイン」は、代々木公園に建設する3万人超規模のスタジアム構想について、2027年にも完成を目指す。21年ごろに具体的なスケジュールを示すため、今後オープンディスカッションを1カ月に1回ほどのペースで開きたい考えだ。実現した場合の想定事業費は、500億-1000億円としている。
 13日、構想を発表した渋谷区観光協会代表理事兼渋谷未来デザイン理事でプロジェクトデザイナーの金山淳吾氏は、「(実現を前提にしたものではなく)今回はあくまでも社会への自主提案」と語った。反対意見も含め民意を集約し、「住民発意の先に渋谷区や都、国も入れて(協議して)いくという流れが理想」としている。
 スケジュールは、渋谷駅周辺の開発がおおむね完成に近づく時期の将来像として示した。「2020東京オリンピック後、都内で一番注目されるプロジェクトとしたい」(金山氏)考えだ。
 現時点のスタジアム整備候補地は、公園内南側、国立代々木競技場西側のエリア。サッカーグラウンドやイベント広場がある。公園の所在地は東京都渋谷区代々木神園町、神南2丁目。
 構想段階のイメージパースは、建築家の田根剛氏が作成した。金山氏は「みんなで構想を練り、実現に向けプロセスを踏んでいくプロジェクト」と説明し、設計に関して広く意見を受け入れる考えを示した。
 田根氏への依頼理由については「自然林の中で開発しなければいけないため、生態系の保護について(われわれと)最も近いビジョンを持つと考えた」とし、最終的な設計担当に田根氏が決まったわけではないとしている。
 資金調達については「パナソニックスタジアム吹田(大阪府)のように寄付型もありうる」とする一方、「(公園周辺の)国立代々木競技場、明治神宮や渋谷・表参道方面と調和した、街の景観も含む開発をしていくべきと思っている。渋谷という立地を生かし、ホテルやミュージアム、カンファレンス会場などの複合施設としてつくることができれば、通常の資金調達でできる可能性もある」と語った。
 渋谷未来デザインは、渋谷区の外郭団体として4月に発足した。京王電鉄、東急不動産、東京急行電鉄、日建設計などが参画している。渋谷の課題解決に向け活動し、実証成果を東京、日本、世界へ展開することを目指す。