【総合資格】新春特別企画・若手建築家4氏によるトークセッション開催 若者へメッセージ発信 | 建設通信新聞Digital

5月1日 水曜日

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【総合資格】新春特別企画・若手建築家4氏によるトークセッション開催 若者へメッセージ発信

 建設・不動産の資格スクール総合資格学院を運営する総合資格は、2018年度合格祝賀会開催記念新春特別企画として若手建築家4氏によるトークセッションコロシアムを開催した。小堀哲夫氏(小堀哲夫建築設計事務所)と五十嵐淳氏(五十嵐淳建築設計事務所)、西田司氏(オンデザインパートナーズ)、吉村靖孝氏(吉村靖孝建築設計事務所、早大教授)の4人が、自身のルーツである20歳代を振り返りつつ、未来の建築家を目指す若者に向けて、さまざまなメッセージを発信した。
 故郷の北海道佐呂間町に26歳で事務所を構えた五十嵐氏は、20代を「孤独だった」と振り返る。「建築家という言葉も知らず、設計をやりたいという仲間もいない。建築家に触れられる機会は書籍だけだった」という環境下で、「早く資格を取得し、実作をつくること」を目標とした。デビュー作の『白い箱の集合体』は、日本建築学会北海道建築奨励賞を受賞。30歳で発表した自邸の『矩形の森』が、新建築住宅特集の新人賞に当たる吉岡賞を受賞し、「やっと孤独が晴れた」と建築家として出発の原点を回想した。
 岐阜で育ち、父親が宮大工だった小堀氏は、法政大進学後に「リアルな空間を見たかった」とイタリア建築史・都市史を陣内秀信ゼミで学んだ。常に実測キットを持ち歩き寸法を測る中、ある教会で出会った音の響きに感銘を受け、「現地を訪れる中で、建築を構成する中身の重要性に気づいた。その経験がいまも生きている」と実体験の重要性を説いた。
 プロフェッサー・アーキテクトの吉村氏は、「20歳代が、ちょうど1990年代と重なり、その大部分を大学で過ごした。30歳までは振られた仕事を何でもやっていた」という。早大の古谷誠章研究室では2等だった『せんだいメディアテーク』や1000m超の超高層ビルを計画する「ハイパースパイラルプロジェクト」などを担当。2年間在籍したMVRDV(オランダ)では、「机上のプロジェクトが、社会の大きな動きに飲み込まれていく瞬間を目撃した」と、リサーチプロジェクトの1つが政治性の濃いプロパガンダに利用されたエピソードを紹介した。
 西田氏は、横国大卒後23歳でスピードスタジオを共同設立。「若さと勢いでつくり続けた」と最も竣工作品が多かった20歳代を振り返りつつ、解散後の28歳で「所員も共同な立場」というオンデザインパートナーズを設立。社会の動きを建築に落とし込む過程では「実験を経て実感している。まちづくりも建築も経験的につくる時代だ」と、これから社会で活躍する学生たちに向けて語り掛けた。

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