東京で愛され続けてきた劇場の大規模リニューアル工事現場を舞台に、建設業界の課題に挑む建設マン、けんせつ小町の物語『響け、』の公演が21日から、東京都豊島区のシアターグリーンで始まる。ICTで変わる現場。請け負ったゼネコンのベテラン男性と若手女性技術者の対立を軸に、「受け継ぐもの」と「受け入れるもの」にお互いがどのように気付いていくのか。タイトルの『響け、』は、劇場の高品質な音響だけでなく、人の心の響き合いへの希望も託されている。
この公演は、建設業の魅力を発信する情報サイト運営の「建設マン.com」(山本勇一【YUICHI】代表)プロデュースによるもので、シリーズ5回目の舞台になる。日本建設業連合会(山内隆司会長)が特別協賛し、26日まで11公演が予定されている。
公演に先立って主役の石尾吉達さんと黒木千春さん、プロデューサーのYUICHIさんが日建連で記者会見した。石尾さんが演じるゼネコン村上建設建築部のベテラン課長・石田雅人は、紙の図面で現場を動かす。一方、黒木さんが演じる同じ建築部課長の高嶋恭子は職人の指示にもタブレットを手放さない。そこに外国人労働者の問題も重なる。
黒木さんは2回目からの出演。「前回のクレーンオペレーター役の時は真剣に資格を取ろうかと思った。けんせつ小町の方々が業界を引っ張っていってもらえたらという気持ちで演じたい」と力強く語る。
当日一般5500円。「学生にも見てもらいたい」(YUICHIさん)と今公演から始めた大学生以下の学割は2500円。