【クリマテック】マンション社内検査チーム「なでしこ」 作業服を一新 機能性高め活動の幅広がる | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【クリマテック】マンション社内検査チーム「なでしこ」 作業服を一新 機能性高め活動の幅広がる

 2015年6月に活動が始まったクリマテック(東京都新宿区、西田文明社長)のマンション社内検査チーム「なでしこ」の活動範囲が広がっている。18年度の検査実施戸数が1268戸と、活動4年目に1000戸を突破、社内竣工検査に加え、中間検査の実施戸数も増えている。また、現場での作業効率を一層高めるため、チームメンバーの意見を取り入れ、作業服やヘルメット、安全靴をことし4月に新調した。

社内検査チーム「なでしこ」のメンバーら

 なでしこは、本社内勤の女性社員らを中心とする有志でチームを構成。現在のメンバーは女性6人、男性3人の計9人で、営業統括部や見積購買部、工事管理部、設備第二事業部などの部署に所属している。1カ月から2週間前に示される検査スケジュールと本業の予定を照らし合わせ、本業の合間をぬって現場に出向いて社内検査を実施する。
 活動は、得意先である長谷工コーポレーションの新築マンションを対象に展開。18年度からはほかのゼネコンの現場でも検査を手掛けるようになり、活動の幅が広がっている。
 初年度の15年度は653戸、16年度が659戸、17年度に942戸と検査戸数が増え、18年度には検査参加延べ日数66日で、延べ82人が1268戸の検査を実施した。18年度は竣工時期が集中しなかったことや、排水管の勾配を検査するなどの中間検査が増えたため、松浦晶子さん(設備第二事業部工務グループ課長代理)は「検査の参加に向け本業との調整がスムーズだった」と振り返る。年間を通じ現場に出向く機会が増え、検査戸数の増加につながった。
 18年度の検査戸数のうち、竣工検査は約7割、中間検査が3割程度。ボール流しやタオル流しの検査も手掛け、自社施工の給排水衛生・空調設備の品質や機能を使用者の目線で細かくチェックする。
 18年12月にチームメンバーが集まり、これまでの活動を振り返ったところ、作業効率をより高めるため「洗面台の下などに潜り込む作業が多く、作業服は動きやすいストレッチタイプがよい」などの意見が出された。また、「竣工検査で安全靴を脱いだり履いたりすることが多く、機能性をアップしたい」との声もあった。
 こうしたチームメンバーの意見を踏まえ、作業服はこれまで社員と同じだったが、チーム専用作業服として、カーキ色で伸縮性のある動きやすいタイプに一新することにした。安全靴は、オレンジ色で面ファスナーのスニーカータイプに改めた。また、ヘルメットも軽量で女性の頭部に合わせ髪を結ったときに固定しやすい形状の女性用ヘルメットを取り入れた。4月から新たな作業服などを身に付け検査に当たっている。

4月に一新した作業服、ヘルメット、安全靴。社名の位置は左胸が一般的だが、背中の首元に刺しゅうが施されている(上)

 メンバーに加わった佐々木裕貴さん(工事管理部)は「現場を勉強し、理解することで現場業務に貢献したい」と意欲をみせる。沖野加奈さん(工事管理部)は「現場勤務から異動で社内勤務となったことから、改めて現場に出たいと思った。検査方法を学び、チームの力になれるよう頑張りたい」と語る。
 なでしこは『クリマテックが施工した物件をしっかり検査し、いいものを責任を持ってお客さまに引き渡す』ことが目的。辰口礼奈さん(営業統括部主任)は、目的に加えて「みんなで現場の社員を支える」との役割がチームにはあると肝に銘じている。
 なでしこの活動は5年目に入った。発足時からのメンバーである松浦さんは「部会の議論でよく分からなかった部材の名称や施工方法などが、検査の経験を通じて理解できるようになった。これまで以上に丁寧な検査を実施し、現場に恩返しをしたい」と語る。辰口さんは「営業先でも検査に携わっていることを理解してもらい、プラスになっている」と社内検査実施の効果を示し、「今後も安全、確実な検査を実施する」ことを心掛けている。
 同社では9月から20年3月の期間に約2500戸の検査予定があるという。本業の業務量にもよるが「チームとしての検査戸数は、18年度実績を上回りたい」(嘉松裕臣工事管理部専任部長)との目標があり、積極的に活動していく方針だ。チームなでしこの活動が、さらなる女性活躍の場を広げている。

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