【災害対策】応用地質が3次元電気探査技術を確立、土木に初適用 より効果的な地すべり対策実現へ | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【災害対策】応用地質が3次元電気探査技術を確立、土木に初適用 より効果的な地すべり対策実現へ

 応用地質は、地すべりの大きな要因となる地下水の排除工など対策事業の効果を評価し、より合理的で効果的な対策工の検討につながる3次元電気探査技術を確立した。ケーブルレス・分散型の3次元比抵抗・IPC探査装置「Fullwaver」を用いて、地盤の比抵抗の3次元分布を測定し可視化する。対策工の施工前・後の測定と差分解析による4次元情報で地下水変動域を評価することで3次元的な対策工効果を検証できる。Fullwavrerは鉱物探査などに使われているが、地すべり対策など土木分野での適用は初めて。同社では地すべり・砂防BIM/CIMの一環として活用、事業評価の向上と対策工事費の最適化に貢献していくとしている。
 気候変動に伴い、豪雨災害が頻発化・激甚化する中で、より効果的な地すべり対策を実現するためには、地下の複雑な地質構造や土質・岩盤性状に起因した地盤情報の不確実性をいかに最小化できるかが大きなかぎとなる。
 このため同社は3次元情報による地盤の3次元モデルをより高度化するため、微動探査やドローンによる空中電磁探査など3次元物理探査技術の適用を推進してきた。
 今回、実用化のめどをつけた3次元電気探査は、ケーブルレスでコンパクトなFullwaverを面的に配置し一斉に測定することで3次元的に物性値を把握する。実証実験では300m四方のエリアに25台を設置。比抵抗差分解析結果では、動態観測や地質分布から推定した地下水位分布域におおむね一致するなど信頼性が確認された。
 同社では、地すべり対策工の3次元での合理的な対策工検討につながる画期的な新技術としての適応性が検証できたとして、国や自治体などに積極的な活用を働き掛けていく考えだ。
 実証実験の結果などを踏まえた最新の成果は、東京都千代田区で開催している「OYOフェア2019」のセミナーの中で「3次元物理探査から見える地下3次元情報とその活用-地すべり・斜面BIM/CIMに向けて」をテーマに11日午前11時から発表される。

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