【台風19号】水資源機構管理の4ダムにて実施の防災操作 下流の河川水位低下に効果を発揮 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

公式ブログ

【台風19号】水資源機構管理の4ダムにて実施の防災操作 下流の河川水位低下に効果を発揮

 水資源機構が管理するダムが、台風19号の降雨対策として防災操作を実施し、河川水位の低下に効果を発揮した。草木ダム管理所の草木ダム(群馬県みどり市)、下久保ダム管理所の下久保ダム(群馬県藤岡市、埼玉県神川町)、荒川ダム総合管理所が管理する浦山ダム(埼玉県秩父市)と、滝沢ダム(同)のいずれのダムでも台風19号に備え、貯水位を下げ、洪水調節容量を確保することで、ダム下流の水位低減を図った。

防災操作後の下久保ダム貯水池

 草木ダムでは、総雨量356mmを観測。最大で毎秒約1637m3の洪水に対して毎秒約1021m3、約6割以上をダムに貯留した。約2184万m3をダムに貯留し、貯水位は洪水調節開始時から約17.16m上昇した。これにより、渡良瀬川の花輪地点(みどり市)で、約1.21mの水位低減効果があったと推定される。
 下久保ダムでは、累計513mmの降水量、12日午後6時ごろにダム地点で毎秒1840m3流入量と、管理開始(19969年)以来最大を記録した。ダム貯水池には約3141万m3の水量を貯留した。ダム下流約9.5㎞の若泉地点(群馬県藤岡市、埼玉県神川町)で約1.8mの水位低減効果があったと推定される。
 浦山ダム流域では総雨量704mmとなり、ダムに流れ込んだ水の最大量は毎秒約423m3、滝沢ダム流域でも総雨量507mmで、ダムに流れ込んだ水の最大量は毎秒約700m3と、いずれも管理開始以降最大の流入量を記録した。浦山ダムでは約1354万m3をダム湖に貯め、ダム下流の花御堂(秩父市)地点で約0.9m、滝沢ダムでは約2108万m3をダム湖に貯め、ダム下流の太平橋(同)地点で約2.5m、それぞれ水位を低下させたと推定される。

◆荒川第一調節池3500万m3貯留 整備局荒川上流河川
 また、関東地方整備局荒川上流河川事務所が管理する荒川第一調節池(さいたま市、埼玉県戸田市)では約3500万m3、朝霞調節池(埼玉県朝霞市)では約50万m3の洪水を貯留し、荒川、新河岸川下流域の洪水被害防止に貢献した。降り始めからの総降水量は、荒川上流域の雨量観測所では三峰山頂雨量観測所で595mm、名栗雨量観測所で562mmを観測した。

建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら