【台風19号・地域建設業】「地域の守り手」 各地で本領発揮 昼夜兼行で被害個所の緊急復旧に当たる | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

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【台風19号・地域建設業】「地域の守り手」 各地で本領発揮 昼夜兼行で被害個所の緊急復旧に当たる

 台風19号で被害を受けたインフラなどの1日も早い復旧に向け、関東甲信地方でも各県建設業協会の会員企業を始めとする地域建設業が、昼夜を問わず被災現場で奮闘している。それぞれの地元に精通した建設各社は、国や県などと締結している災害協定に基づき、あらかじめ決められた担当エリアの状況確認や応急対策などに奔走。自らも被災者でありながら「地域の守り手」としての本領を発揮している。
 いまだ全容は把握されていないものの、台風19号は河川堤防の決壊や土砂崩れ、橋の崩落、住宅浸水など甚大な被害を各地に発生させた。地域建設各社は、激しい風雨にみまわれた12日時点から、道路や河川のパトロール、通行止め作業の協力などに追われ、台風が過ぎ去った13日以降には山積した土砂や流木の撤去、河川や砂防、上下水道などさまざまな被害個所の緊急対策に本腰を入れ始めた。
 多大な被害の中でも衝撃的だったのは堤防の決壊で、改めて水害の怖さを国民に知らしめた。関東地方整備局によると、国が管理する河川の堤防決壊は、9カ所延べ1530mに及んだ。15日現在、すべての個所で既に緊急復旧工事が始まっている。
 荒川上流河川事務所は災害協定に基づき、「越辺川右岸0.0k」の緊急復旧を荒木建設工業(さいたま市)、「同左岸7.6k」を小川工業(埼玉県行田市)、「都幾川右岸0.4k」を伊田テクノス(同東松山市)に要請。都幾川では水がなかなか引かなかったこともあり、14日から準備作業に着手、今後本格的な工事に入るという。
 常陸河川国道事務所も協定を締結している地元建設7社に工事を依頼。「久慈川左岸25.5k」は珂北開発(茨城県常陸太田市)と井坂組(同常陸太田市)、「同右岸25.5k」は秋山工務店(同日立市)、「同左岸27.0k」は増子建設(同常陸大宮市)、「那珂川右岸28.6k」は高橋建設工業(水戸市)、「同左岸40.0k」は長山工業(同常陸大宮市)、「同右岸41.2k」は高野工務店(同那珂市)が担当している。

応急復旧が進む那珂川の堤防決壊現場 (15日、茨城県那珂市)

 このほか、茨城、栃木、埼玉では県管理の河川でも決壊が発生し、その対策に地域建設業が当たっている。
 昼夜兼行で早期の緊急復旧を目指す中、その現場の過酷さもあり「かき集めてはいるが、人が足りない」との声も漏れている。

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