【茨城県大子町】台風19号豪雨被害で新庁舎建設事業再検討 19年度内にも方向性固める見通し | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【茨城県大子町】台風19号豪雨被害で新庁舎建設事業再検討 19年度内にも方向性固める見通し

 茨城県大子町は、台風19号による豪雨被害を受け、実施設計中の新庁舎建設事業を再検討する。建設地を町役場西側町有地のまま設計を変更することや、建設地を別の場所に変えて設計し直すことなどを想定しており、2019年度中には方針を固める見通し。財源に総務省の市町村役場機能緊急保全事業を活用するため、どの整備手法であっても20年度末までに実施設計に着手する必要がある状況だ。

基本設計完了時の外観イメージ

 現在の新庁舎建設地は町役場西側町有地(大子町大字大子891-1ほか)約0.8ha。南側を久慈川水系の押川が流れている。
 新庁舎建設を巡っては、前町長時代の18年6月に公募型プロポーザルで設計者を遠藤克彦建築研究所に決定。同者が提案した1階がピロティ、2・3階が庁舎の施設内容に基づき、RC・S造3階建て延べ約4300㎡規模で基本設計を進めた。
 しかし、同年12月に新庁舎建設計画の見直しによる経費削減と新たな財源創出を公約に掲げて初当選した現町長が就任すると、ピロティをなくして2階建てに変更。基本設計完了時の規模はS造(直接基礎)2階建て延べ約3500㎡で、1階床は押川の堤防より60cm高くした。
 この内容で実施設計を12月に終え、20年3月議会付議案件で工事を発注する予定だったが、台風19号に伴う豪雨では高低差のある土地に建つ本庁舎(地下1階地上3階建て)のうち地下1階と駐車場などが浸水した。
 新庁舎は災害時に災害対策本部となることから、今回の災害を受け、建設地を変えずに進めるとしてもかさ上げするか否か精査する必要に迫られている状況だ。

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