【新たな観光の呼び水】尾道市に木造ゲストハウス完成 伝統を踏襲したストーリーある建物に | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【新たな観光の呼び水】尾道市に木造ゲストハウス完成 伝統を踏襲したストーリーある建物に

 自動車補修用塗装・乾燥装置を手がけるアンデックス(広島県尾道市、田邊耕造社長)が尾道市向島町の瀬戸内海沿いの敷地に建設した木造のゲストハウス「レーモンドハウス」が完成した。設計を手がけたレーモンド設計事務所の伝統である構造意匠主義を踏襲した木造の施設は「観光の呼び水として多くの人々に利用してもらいたい」という田邊社長の思いが詰まっている。
 瀬戸内海の美しい景観を一望できる向島の南側に建設された施設は、ピロティ形式を採用した平屋建て。レーモンド設計事務所の三浦敏伸社長の出身が尾道市であり、田邊社長とは古くから友人関係の縁で設計を依頼した。施設名称の「レーモンドハウス」も田邊社長が命名し「建物のストーリーを感じてもらいたい」という考えから室内にレーモンド設計事務所の歴史をパネル展示している。
 設計にあたり三浦社長は、「レーモンドが戦前に設計した葉山の別荘と同じで海が目の前にあるという共通点からイメージを膨らませた」と話す。建物の柱を斜めに設置し、強烈な海風から屋根が守る構造になっている。ピロティは、防波堤越しに景色を楽しめるテラスとして使用できるほか、高潮などの災害対策や駐輪場としての使用も想定している。
 完成を迎え田邊社長は「施設の出来には大変満足しているし、何よりも近隣の皆さんが喜んでくださったのがうれしい。社員の福利厚生施設でもあるが、アンデックスのみならず多くの人々に使っていただきたい。尾道の地域興しのお手伝いにもなると思っている」と期待する。

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