【日立建機】代理店向けに機械の健康状態を診断するアプリを開発 稼働音・測定データから自動判定 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【日立建機】代理店向けに機械の健康状態を診断するアプリを開発 稼働音・測定データから自動判定

 日立建機は、スマートフォンを用いてユーザーが保有する建設機械の状態を的確に診断することができる、販売代理店のサービス員向けのアプリケーション「コンサイト・ヘルス・チェック」を開発した。エンジンの稼働音や測定データから自動的に“健康状態”を判定することで、重大な故障が起きる前に修理計画を提案できる体制を構築することが狙い。
 コンサイト・ヘルス・チェックは、スマートフォンを用いて、エンジン内部にある燃料インジェクターと油圧ポンプの状態を「正常」「要経過観察」「修理検討」「要修理」の4つのランクで診断する機能を持つ。

コンサイト・ヘルス・チェックのイメージ

 燃料インジェクターや油圧ポンプの状態を診断することで、機械が止まってしまうような故障が起きる前にエンジン内部の性能の低下などを予知。ユーザーの課題であるライフサイクルコストの低減につなげることができる。
 例えば、これまで燃料インジェクターの劣化による稼働音の変化を熟練のサービス員が聞き分けていた点に着目。正常時と異常時の稼働音の違い(周波数データ)をAI(人工知能)によって分離・分類させることで、スマートフォンのマイク機能を使って、約3分間という短時間で“健康診断”を行うことができるという。
 油圧ポンプの診断もスマートフォンと建設機械を通信デバイスで接続することで、油圧ポンプが送り出す作動油の圧力を計測。その測定データに基づいて、油圧ポンプの状態や内部の摩耗がどの程度、進行しているかを短時間でチェックすることができる。
 人口減少と高齢化を背景に、熟練サービス員の減少が見込まれる中で、ICTやAIを活用した定量的なデータ分析と状態判定は保守・点検サービスの効率化と品質の維持に不可欠。サービス員にとっても判定結果という根拠に基づく適正な修理計画の提案が可能になるというわけだ。
 サービス員向けのアプリケーションであるコンサイト・ヘルス・チェックは、3月からインドネシアや中東、アフリカ地域にある販売代理店に提供を開始。順次、グローバル市場に展開していく計画。今後、燃料インジェクターや油圧ポンプ以外にも診断できる部位を増やしていく予定だという。

 
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