【文部科学省】学校施設づくり支援へ 設置者向け事例集・パンフレットを取りまとめ | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【文部科学省】学校施設づくり支援へ 設置者向け事例集・パンフレットを取りまとめ

 文部科学省は、自治体などの学校設置者が進める学校施設づくりを支援する事例集やパンフレットを相次いでまとめた。事例集などに記載した内容は、施設の設計者や地域の建設企業にも、今後の施設整備などに向けて参考になる。 文科省が策定したのは、『木の学校づくり 学校施設等のCLT活用事例』『環境を考慮した学校施設づくり事例集 継続的に活用するためのヒント』『台風等の風水害に対する学校施設の安全のために』の3つ。

 CLT(直交集成板)の活用事例は、学校施設や図書館など文教施設での木材利用における新たな木質部材利用促進・普及を目的にまとめた。CLTの特徴や使い方などの基礎的な内容を解説するとともに、活用した事例のメリットや特徴を紹介している。

 事例は、▽CLTパネル工法▽部分利用(構造材)▽内装利用など(非構造材)–の3つの使い方に区分し、27事例を紹介。CLT利用量や利用した部分などを載せた。27事例の中から、特徴のある4事例を抽出して、事業の背景、CLTの具体的な使い方、工夫した点などを示した。CLTを活用するための支援制度や関係法令、実務者向けの参考資料も掲載している。

 環境を考慮した学校施設づくり事例集は、エコスクールの基本的な考え方の提示から20年以上が経過したことを踏まえ、エコスクールが継続的に活用されることを目的に、継続活用のポイントや、施設面・運営面・教育面の3つの視点ごとの取り組み事例を紹介している。

 「やさしく造る(施設面)」「賢く・永く使う(運営面)」「学習に資する(教育面)」を継続活用のポイントとして掲げ、計画段階から施設の使い方を想定することや施設の使い方マニュアルなどを作成して継承していくことが重要と指摘。施設設計者の環境教育への理解などが欠かせないとした。事例は3つの視点ごとに14事例を載せた。

 風水害対策のパンフレットは、台風や集中豪雨によって発生する校舎や屋内運動場の損壊、浸水などの風水害に対して、学校施設の安全確保や被害軽減のため、自治体など学校設置者や管理者による施設面の点検、実施が望ましい措置などのポイントをまとめた。

 リスクの把握や施設・設備の点検、平時の確認など「事前の対応」、台風など危険が迫った場合の応急措置を示した「台風などの気象情報発表時の対応」、被災後の応急対応や被災施設の早期復旧に向けた「被災後の対応」を載せている。文科省はパンフレットを参考に、日ごろから学校施設の安全点検・対策を実施し被害を軽減することと、被災した際には、教育活動が早期に再開できるよう施設の復旧に努めることを学校設置者に求めている。

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