飛島建設は、AI(人工知能)を使った自動翻訳システムを開発・運営するロゼッタと共同開発した多機能ハンズフリーシステム「e-Sence」の機能を拡充した。新たに建築・土木生産支援クラウドを展開するフォトラクションと連携。従来からの機能に写真データの保存やアルバム作成といった写真管理と位置情報・行動履歴の蓄積機能を追加した。
e-Senceは、建設現場の生産性の向上を目的に外国人技術者との自動通訳機能や遠隔地からの情報共有を可能とするコミュニケーション機能、現場のドライブレコーダー機能を備える多機能ハンズフリーシステムとなる。
新たにフォトラクションと連携することで、現場写真をスマートグラスから建築・土木生産支援クラウド「フォトラクション」に直接転送。写真データを保存・管理するだけでなく、クリック1つで工事写真台帳が作成できる。
これまでスマートグラス本体のタッチパネルによる操作だったが、スマートフォン対応のアプリケーションを開発することで、スマートグラスとアプリをつなぐリモコン機能を実現した。
アプリとの連携によって、動画のラベル付けのためのブックマーク機能やヒヤリハット報告機能、画像や映像をスマートグラスに転送するミラーリング機能、スマートフォンからウェブ会議に参加できるビデオ通話機能などが新たに追加された。
5月18日からセット価格で販売してきたが、スマートグラスとユーザーID単位での価格を設定。11月2日から現場の規模や用途により柔軟に対応できるリーズナブルな価格とすることで販売・レンタルの拡充に乗り出す。
今後も異業種との“共創”によって多機能ハンズフリーシステムの展開を拡大。コロナ禍に伴う建設現場の「遠隔臨場」ニーズへの対応だけでなく、ハンズフリーの利点やデータの蓄積を生かせる製造・外食・警備・介護・航空などの業種への展開も狙う。