【大工大建築学科卒業研究展示会】最優秀はアノ絵本作家の世界観を表現したミュージアム | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【大工大建築学科卒業研究展示会】最優秀はアノ絵本作家の世界観を表現したミュージアム

 大阪工業大学工学部建築学科は13、14の両日、大阪市の大宮キャンパスで2020年度卒業研究展示会を開いた。14日にジュリーコーナーで開催した卒業設計公開審査会では真壁智生さんの「見えない日常」を最優秀作品に選んだ。

真壁さんと最優秀作品


 「見えない日常」は、絵本作家エドワード・ゴーリーの代表的な6作品の世界観を表現したミュージアム。審査員からは、コンセプト性の強さや情熱が高い評価を受けた。

 真壁さんは「4年間、ほとんど評価されることなくフラストレーションが溜まっていたが、最後にこのような評価をいただけてうれしい」と喜びを述べた。4月からは大学院に進むが「将来は組織事務所に入り、だれもつくったことのないものを生み出したい」と期待に胸を膨らませた。

 公開審査会では卒業設計37作品から上位10作品が最終審査に進み、それぞれプレゼンテーションと質疑応答を実施した。優秀賞には上田雄貴さんの「SAMSARA」と西上大貴さんの「ハナミチ」をそれぞれ選んだ。

 審査員は小松一平小松一平建築設計事務所代表、榊原節子榊原節子建築研究所代表、徳岡浩二徳岡設計社長、松尾和生氏(日本設計)が務めた。

 表彰式後の講評で小松代表は「作品を通じて皆さんが世の中や社会に意見を持っていることが分かり、安心した」、榊原代表は「作品には社会や都市に対する気づきや疑問が反映されているものが多かったが、リサーチ不足も否めなかった」、徳岡社長は「上位の作品はオリジナリティーに溢れていた。その感性をこれからも大切にしてほしい」、松尾氏は「卒業設計にとって大事なことは、どれだけ情熱を入れることができるか。これが今後の人生の支えになる」とそれぞれ言葉を寄せた。

 展示会では公開審査のほか、卒業論文ポスターや卒業設計作品を展示した。

審査風景


 受賞作品以外の最終審査作品は次のとおり(敬称略)。
 ▽SWAGGER-響き渡るヒップホップの鼓動=近藤侑愛▽JAGGY*ENCOUNT*E=土居幹▽Sparseness&Density-空間の領域と人々の空間=中山輝良莉▽綿のみち=松山美耶▽如実知自心 あるがままに=山岡晟也▽都市の調律=山口真奈美▽都市の呼吸=山本晃城。



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