【都市のミライ】東京都北区とURが赤羽台周辺地区のまちづくり推進 情報発信施設も整備へ | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【都市のミライ】東京都北区とURが赤羽台周辺地区のまちづくり推進 情報発信施設も整備へ

 区とURで開発するのは、旧赤羽台東小学校(赤羽台1-1-13)とその南側に隣接するUR所有地の約1.9ha(B地区)。第一種中高層住居専用地域で、建ぺい率は60%、容積率は200%となっている。今後の都市計画変更により、用途地域や容積率は変更する方針だ。

B地区のロケーションイメージ(URのリリースより)


 このうち約1.4haについて、両者で2021年度末にも民間事業者を公募して、22年度末までの土地売買契約、土地引き渡しを目指す。都市型住宅、子育て支援拠点、生活利便施設、駐輪場の整備を想定している。

 残りの約0.5haでは、区が20年7月に「北区児童相談所等複合施設基本構想」に基づいて児童相談所などを含む複合施設を建設する。構想では、3~4階建て延べ約5000㎡の規模を想定。21年度に設計を進めて、22年度の着工、25年度の開設を目指している。

B地区のまちづくり誘導イメージ


◆まちづくり一層推進へ連携協定
 「赤羽台周辺地区のゲートウェイとして多様な人々が集い・行き交い・にぎわう都市生活拠点の形成」――。区とURは1日、B地区の将来的な整備コンセプトを定め、共同公募を含む事業推進に向けて協定を締結した。

花川與惣太北区長(左)と田島 満信UR東日本賃貸住宅本部長


 具体的には、▽赤羽台周辺地区のゲートウェイとしてふさわしい都市生活拠点の形成▽多様で良質な都市型住宅や商業施設等を中心とした生活利便施設の立地誘導▽エレベーターなどの設置によるバリアフリー化を伴う新たなアクセスルートの整備▽自転車駐輪場(現在の赤羽駅西側指定自転車置場機能の一部移転)の整備――について連携して、事業協力者(土地の譲渡先民間事業者)にも取り組みを求める。

 赤羽台団地は、当時は23区内で最大規模の総住戸数3373戸を備える大規模団地として、1962年に建設された。建築家の津端修一が携わり、日本住宅公団(現都市再生機構)と市浦建築設計事務所(現市浦ハウジング&プランニング)の連名で設計した。

 建物の老朽化や耐震上の課題を解消するために、00年に建て替え事業に着手。「ヌーヴェル赤羽台」としてこれまでに2000戸以上が竣工している。

◆都市の暮らしの歴史を学ぶ情報発信施設整備
 竣工当時、先進的な住棟配置や他種類の間取りを導入して、都市住居の新しいモデルとなった赤羽台団地。中でも既存4棟(41・42・43・44号棟)は、19年12月、国の登録有形文化財に登録された。42~44号棟の3棟は、スターハウスと呼ばれる独特の形式を採用している。三角形平面の階段室周囲に各階3戸を放射状に配置する形式で、建設数や残存例が少なく希少性が高い。

 URは4棟の外観を保全することを目的に、22年3月までの工期で外壁修繕、耐震改修、屋根防水、塗装などの改修工事を実施している。また、4棟の隣接地に新築棟「歴史展示施設」を建設する。工期は11月から23年2月を見込む。

 保存4棟と展示施設の一体で「赤羽台情報発信施設(仮称)」として、23年春に開設する計画だ。

 4~10月にはプレイベントとして「まちの暮らしコンペティション」を開く。「スターハウスの未来(さき)にある暮らし」をテーマにアイデアを募り、最優秀作品はスターハウス内に整備・公開を予定している。

情報発信施設の整備エリア

情報発信施設イメージ



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