【現場の駅】建設業と串本町の魅力発信 木下建設 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【現場の駅】建設業と串本町の魅力発信 木下建設

災害時はスマートフォンの充電などができる避難先となる


 「『現場の駅』を通じて建設業と串本町の魅力を発信したい」。木下建設の山田裕明専務取締役本部長は、和歌山県串本町に設置している太陽光発電付き移動式ハウス「ソーラーシステムハウス」を活用した「現場の駅」プロジェクトの意義を語った。平時は情報発信基地として、災害時はスマートフォンなどの充電を含めた電気が利用できる避難先として活用できる施設を提供することで、地域に貢献する。

 ハウスは、幅6.0m、奥行き2.4m、高さ2.6mのコンテナを改造したもの。ソーラーパネルやエアコン、エコ給湯器、デジタルサイネージ、Wi―Fi設備、満充電状態で3日間利用可能な蓄電ユニットを設けている。

フォークリフトで運搬可能なことも特徴だ。用途の頭文字をとったKタイプ(休憩所)とGタイプ(現場の駅)の2種類があり、Kタイプは「すさみ串本道路田並中ノ谷地区進入路工事」ほか同社が施工する現場9カ所に、Gタイプは同社串本事務所の敷地内1カ所に設置している。

 Gタイプはコンセントの枠に色づけした「虹色コンセント」などを設置し、親しみやすいデザインにしたほか、室内には同社の現場写真や串本町の観光名所の写真を飾っている。

 現場の駅のアイデアを思いついたきっかけは、同社が施工した「すさみ串本道路里野東地区東改良工事」の現場での出来事だ。同現場で所長を務めていた川村良行氏によると「現場は熊野古道に近く、たびたび登山客がトイレを貸してほしいと事務所に訪れた」と振り返り、「地域とのコミュニケーションが必要だ」との思いから事業が動き出した。

 環境省の「平時の脱炭素化と災害時の安心を実現するフェーズフリーの省CO2独立型施設支援事業」を知った同社は21年3月に申請後、6月から設計に着手、9月に関西で唯一採択され、12月に完成した。

 22年1月には串本町と現場の駅を災害時の一時避難所として利用する協定を結んだほか、和歌山県警察とも連携し、野生動物との事故防止のため、花札をイメージした啓発用の看板も設置している。山田専務は「災害時だけでなく、普段こういう施設があると知ってもらうことが地域の皆さんの安心感につながる」と強調した。


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