【富士山チャレンジ17】ICTで登山者の行動を「見える化」 日本工営が実証実験 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【富士山チャレンジ17】ICTで登山者の行動を「見える化」 日本工営が実証実験

葛飾北斎の『富嶽三十六景』より34番「諸人登山」

 日本工営は、富士登山者の安全を守る仕組みづくりを目指すプロジェクト「富士山チャレンジ2017」を19日から9月1日にかけて実施する。ICTを活用した登山者の動態データ把握の実証実験により、登山者や自治体に有益な情報を提供する民間主導のプロジェクト。登山者が専用の小型ビーコンを持って登山することで、山小屋などの各ポイントに設置されたレシーバー端末で通過時間や位置情報を検知し、その情報をクラウド管理することで、登山者の位置情報や登山時間を収集する。
 今回の実証実験は、取得したビッグデータを分析し、パソコンやスマートフォンからリアルタイムに登山時間や混雑状況、山頂到達率などの情報を「見える化」し、誰でも情報取得が可能なシステムを構築する。
 また、小型高精度レーザー計測器を使った登山道の3D計測を実施し、ビーコンを持った登山者の動きと3D地形データをリンクさせることで、登山のボトルネック個所を抽出する。それらを継続的に計測することで、登山道の破損個所や落石の状態の把握、精度の高い噴火時などの避難シミュレーションへの活用なども今後取り組む。
 将来的には、安全な登山のための情報提供に加えて、入山料とリンクした登山計画、登山保険の仕組みの構築、データの防災・環境保全分野での活用を目指す。
 ビーコン配布場所は、静岡県側が富士宮口、御殿場口、須走口、山梨県側が吉田口登山道計4ルートの5合目で、モニター協力数は3000人(1日当たり約200人)。使用ビーコン数は600個、レシーバー設置数は27カ所に45基となっている。
 ホームページで実施期間中のみ閲覧可能。登山者数や登山時間、登山者道混雑状況などを見ることができる。

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