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5月2日 金曜日

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【国立劇場】公的資金投入求める/全面建替の方向性は維持/芸文振が中間まとめ

国立劇場(東京都千代田区)は再整備のため閉場中


 日本芸術文化振興会(芸文振)は、2回の入札が不調・不落となってPFI事業者が決まっていない「国立劇場再整備等事業」について、有識者検討会の中間まとめを策定した。一刻も早い再開場の必要性を示し、全面建て替えの方向性を維持しつつ、PFI方式だけに頼らず、公的資金の投入を求める声が上がり、PFI方式を採用した場合もホテルに限らない民間収益施設の在り方を求めた。今後、これを踏まえ、芸文振で事務的な検討を進める。

 再整備の必要性については、「遅れれば遅れるほど建設費が増加し、再整備が困難になる」と指摘し、「次の入札がラストチャンスとの覚悟が必要」とした。

 整備規模は、国立劇場としてふさわしい品格・魅力を求め、大劇場、小劇場、演芸場のほか、楽屋、養成研修施設、収蔵施設などが整備されるプランを基本にするよう求めた。大規模改修は現実的ではなく、全面建て替えで対応する点では一致した。

 財源は、建設費の高騰を踏まえ、国が責任を持って必要な財源を確保すべきとした。

 PFI方式だけに頼ることは難しく、公的資金による整備と組み合わせる方式を提示した。

 PFI方式を採用しても、ホテルなどからの地代収入を前提とせず、付帯条件を最低限にとどめ、事業者の創意工夫で収益を確保できる方法を模索する。特にホテルの併設には否定的な意見が強かった。

 

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