【国立劇場、ホテル併設を任意に】現地建替え、PFIは維持/文化庁、再整備計画改定の方向性 | 建設通信新聞Digital

5月2日 金曜日

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【国立劇場、ホテル併設を任意に】現地建替え、PFIは維持/文化庁、再整備計画改定の方向性

国立劇場(東京都千代田区)は再整備のため閉場中

 文化庁の「国立劇場の再整備に関するプロジェクトチーム」は、日本芸術文化振興会(芸文振)が再整備のためのPFI事業者を募集したものの、2回にわたって不調・不落となった国立劇場について、整備計画改定に向けた方向性をまとめた。現地での建て替えや施設の基本的考え方、施設のスペック、PFI事業での整備は維持しつつ、民間収益施設へのホテル併設を必須としないことを決めた。早期の入札手続きを目指し、文化庁の2026年度予算概算要求に国立劇場再整備費として17億円を盛り込んだ。

 国立劇場の再整備を巡っては、PFI事業者選定の入札が2回とも不調・不落となり、芸文振が有識者検討会を立ち上げて対応を検討してきた。検討会では、全面建て替えの方向性を維持しつつ、公的資金の投入を求める意見などが挙がっていた。6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2024」では、「国が責任を持って早急に行う」ことが明記された。

 これを受けプロジェクトチームは、22年12月に一部改定した「国立劇場の再整備に係る整備計画」の改定の方向性を検討した。その結果、現地建て替えや「伝統芸能の伝承と創造に係る機能強化」「文化観光拠点としての機能強化」「周辺地域との調和など」の基本的な考え方は維持することを決めた。劇場のスペックも現行の整備計画の内容を維持する。

 PFI事業として実施する方向も維持しつつ、民間収益施設は、ホテルの併設や地代の設定などの提案を必須としていた条件をなくし、自由提案とする考えを示した。

 早期の入札手続きに向けた手続きを芸文振で進める。予算措置については、建設工事費や労務単価の高騰なども踏まえ、「必要かつ合理的な経費の算定」に十分留意する。

 

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