【記者座談会】来年度の公共事業関係費/万博最大級パビリオン | 建設通信新聞Digital

5月2日 金曜日

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【記者座談会】来年度の公共事業関係費/万博最大級パビリオン

◇2割増要求もプラス材料乏しく 補正に期待

A 各府省庁による財務省への2025年度予算概算要求の提出が、8月末で締め切られた。国土交通省の公共事業関係費はどうだったのか。

B 前年度比18.8%増の6兆2899億円だった。うち重要政策推進枠が1兆5201億円となっている。

C この枠は、公共事業関係費を含む裁量的経費の要求額を前年度より1割削れば、削減分の3倍までを政府が指定する重要政策の予算として要求できるもの。目いっぱい活用したため、最大の20%に近い伸び率になった。

A 資材価格の高止まりが続いている。予算が横ばいだと事業量が目減りすると懸念する声があるけど、国交省はどう対応しているの。

B 「現下の資材価格高騰の水準を踏まえて必要額を要求した」と説明する。通常の要求とは別に、金額を明示しない事項要求でも資材価格高騰対策を求めた。

C 資材価格高騰対策の事項要求は3年連続だ。だが、過去2年の予算はほぼ横ばいの決着で、事項要求がどの程度認められたのか判然としない。

A 財政健全化に取り組む中、プラス材料に乏しく、当初予算の大幅増は正直難しいだろう。となると、どうしても補正予算に期待が掛かる。

C 補正予算を編成することになれば「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の最終年分が計上されるはず。その次の国土強靱化実施中期計画は策定スケジュールが明らかになっていない。いつ編成されるかにもよるけど、24年度補正予算の対象になるかは微妙だ。

B その点、今月行われる自民党総裁選に注目だよ。新総裁が打ち出す経済政策によって、新内閣での策定が見込まれる経済対策の内容と補正予算の対象分野が決まる。国土強靱化に積極的な首相になれば、計画づくりが加速化されるかもね。

◇ゼネコンら未来都市を世界に発信

未来社会ショーケース事業・フューチャーライフ万博「未来の都市」の外観(提供:2025年日本国際博覧会協会)


A 話が変わるけど、25年大阪・関西万博のシンボルとなる大屋根リングの木組み工事が完了し、世界最大級の木造建築物が姿を現した。

D 吉村洋文大阪府知事は、リングの愛称を公募することや、リングの一部をレガシーとして残す考えを示している。永く愛されるアイコンになるといいね。

A 最大級のパビリオンである、未来社会ショーケース事業・フューチャーライフ万博「未来の都市」の全貌も公開された。

E 「Society5・0が目指す未来の都市」をテーマに、協賛する12者のアトラクションを体験できる。建設業界からは、安藤ハザマが主導するCPコンクリートコンソーシアム(CPCC)などが出展する。

D CPCCは、廃棄されるコンクリートを循環活用しつつ、CO2を製造時から建設後も吸収し、封じ込める技術をアピールする。来場者はエアシップに乗り、地球温暖化の危機を乗り越えた未来・進んだ未来を滑空しながら、地球を救う鍵はCPコンクリートであることを体感する。CPコンクリート製のイスに座ることもできる。

E 青木あすなろ建設とコマツは、水陸両用ブルドーザーが水中施工ロボットに進化して活躍する「未来の水中工事」を紹介する。大型スクリーンでの動画上映やコンセプトマシンの巨大模型展示などで、水中の非日常感を体験できる。

D 展示内容の発表会には多くの報道陣が集まり、会場は熱気に包まれていた。公式キャラクター「ミャクミャク」も会場を盛り上げた。

A 万博が注目されている証拠だ。次世代技術や社会システムを反映した未来の暮らしや生活を、より多くの人に体感してほしいね。

 

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