人手不足を背景に、技能者だけでなく、技術者も外国人材の活用ニーズが建設業界で高まっている。一方、外国人技術者採用に関心があっても、日本人とは異なる特殊な採用プロセスなどに対するノウハウが乏しく、踏み出せないでいる建設企業が少なくない。そうした状況を受け、国土交通省は「外国人技術者採用・定着に向けたハンドブック」を作成し、4日に正式公表した=写真。全国建設業協会も「外国人技術者の採用ガイド」をまとめ、各都道府県建協に配布している。
国交省が3月にオンライン方式で開き、公表に先駆けてハンドブックのポイントを解説した「外国人技術者の採用・定着支援セミナー」には、専門工事業を含む中堅・中小建設企業を中心に約420人が参加した。不動産・建設経済局国際市場課が主催するセミナーとしては異例の参加者数という。
参加者に対して実施したアンケートの回答数は3月25日時点で239件。うち65.9%に当たる151件が建設企業だった。
主な質問への回答を見ると、外国人技術者採用・定着に関心があるとしたのは9割だった。「かなりある」が約6割、「ややある」が約4割となっている。
116件の回答があった「建設業(総合工事・一式工事)」に対して外国人技術者の採用状況を尋ねたところ、約5割で採用実績がなかった。約7割が土木の施工管理技術者としての採用を検討している。
外国人技術者採用・定着の主な課題には、「共生のための環境整備・活躍・定着支援策」が最も多く選択された。
難しいと感じる点(自由記述)では、「日本語の専門工事用語の読み書き」「漢字の読み書き」「外国人と日本人の認識のギャップがトラブルを生みそう」「外国人をマネジメントできる日本人の育成」「外国人材を採用する方法の情報が乏しい」といった意見があった。
技術者は高度外国人材として受け入れることになり、「技術・人文知識・国際業務(技人国)」などの在留資格が必要になる。国交省によると、建設業で2015年の1958人だった技人国の在留資格を持つ外国人材は、23年に1万3212人まで増加している。
活用ニーズが高まる一方で、特定技能制度のようなルールが存在しないことで「どうやって採用したらいいのか分からないとの声がある」(国際市場課)。こうした声を踏まえ、入門書となるハンドブックを作成した。
技人国の在留資格を持ち、施工管理技術者、設計技術者、測量技師として従事する外国人材の採用・定着に向けたポイントを示すとともに、必要事項のチェックリストを盛り込んだ。外国人技術者を雇用する建設企業5社の事例も紹介している。
技術者不足を受けて業界団体も、外国人技術者の活用促進に向けた取り組みを始めた。全建は3月に外国人技術者の採用ガイドと題するリーフレットを作成。技術者として従事可能な技人国と「特定活動(告示第45号)」の両在留資格の違いなどを解説している。
全国建設業協同組合連合会は、技術者などとしての受け入れに向け、24年10月に東ティモールを視察。25年1月には同国の職業訓練雇用担当庁長官らを日本に招き、技能実習生を雇用している長野県内の建設企業や現場を案内するなど、日本の建設業が外国人材を幅広く受け入れていることをアピールした。
国交省が3月にオンライン方式で開き、公表に先駆けてハンドブックのポイントを解説した「外国人技術者の採用・定着支援セミナー」には、専門工事業を含む中堅・中小建設企業を中心に約420人が参加した。不動産・建設経済局国際市場課が主催するセミナーとしては異例の参加者数という。
参加者に対して実施したアンケートの回答数は3月25日時点で239件。うち65.9%に当たる151件が建設企業だった。
主な質問への回答を見ると、外国人技術者採用・定着に関心があるとしたのは9割だった。「かなりある」が約6割、「ややある」が約4割となっている。
116件の回答があった「建設業(総合工事・一式工事)」に対して外国人技術者の採用状況を尋ねたところ、約5割で採用実績がなかった。約7割が土木の施工管理技術者としての採用を検討している。
外国人技術者採用・定着の主な課題には、「共生のための環境整備・活躍・定着支援策」が最も多く選択された。
難しいと感じる点(自由記述)では、「日本語の専門工事用語の読み書き」「漢字の読み書き」「外国人と日本人の認識のギャップがトラブルを生みそう」「外国人をマネジメントできる日本人の育成」「外国人材を採用する方法の情報が乏しい」といった意見があった。
技術者は高度外国人材として受け入れることになり、「技術・人文知識・国際業務(技人国)」などの在留資格が必要になる。国交省によると、建設業で2015年の1958人だった技人国の在留資格を持つ外国人材は、23年に1万3212人まで増加している。
活用ニーズが高まる一方で、特定技能制度のようなルールが存在しないことで「どうやって採用したらいいのか分からないとの声がある」(国際市場課)。こうした声を踏まえ、入門書となるハンドブックを作成した。
技人国の在留資格を持ち、施工管理技術者、設計技術者、測量技師として従事する外国人材の採用・定着に向けたポイントを示すとともに、必要事項のチェックリストを盛り込んだ。外国人技術者を雇用する建設企業5社の事例も紹介している。
技術者不足を受けて業界団体も、外国人技術者の活用促進に向けた取り組みを始めた。全建は3月に外国人技術者の採用ガイドと題するリーフレットを作成。技術者として従事可能な技人国と「特定活動(告示第45号)」の両在留資格の違いなどを解説している。
全国建設業協同組合連合会は、技術者などとしての受け入れに向け、24年10月に東ティモールを視察。25年1月には同国の職業訓練雇用担当庁長官らを日本に招き、技能実習生を雇用している長野県内の建設企業や現場を案内するなど、日本の建設業が外国人材を幅広く受け入れていることをアピールした。