千葉県ら4者協議会/「成田空港第2の開港プロジェクト」/空港中心に広域経済圏/エアポートシティ構想示す | 建設通信新聞Digital

6月16日 月曜日

関東・甲信越

千葉県ら4者協議会/「成田空港第2の開港プロジェクト」/空港中心に広域経済圏/エアポートシティ構想示す

 国や千葉県、成田国際空港会社(NAA)と周辺9市町でつくる4者協議会が6月12日、千葉市の県庁で開かれた=写真。空港を核とした暮らしや産業の拠点「エアポートシティ」の構想を示し、空港を中心とした広域経済圏の創出を目指すことで合意した。このほか、「更なる機能強化」と「新しい成田空港構想」の総称を「成田空港第2の開港プロジェクト」とすることも決めた。
 エアポートシティは、空港を中心として首都圏・北関東を巻き込んだ広域経済圏の創出を目指す。ゾーニングでは▽エアポートエリア▽リバーサイドエリア▽ナチュラルライフエリア▽アーバンエリア▽シーサイドエリア--の五つのエリアに分けた。このうち、核となるエアポートエリアでは、空港至近の立地特性を生かし、国際産業や物流の拠点として整備する。
 エアポートエリア内では、物流・産業機能と農業・輸出拠点が共存する複合ゾーン、航空宇宙産業を中心とした先端産業拠点・トレーニング施設の集積ゾーン、医療・研究開発拠点を中心としたライフサイエンス事業の集積ゾーン、業務・宿泊機能を備えた交流拠点ゾーンの四つを連動させ、国際的な産業拠点の形成を目指す。
 香取市や栄町、神崎町を含み、茨城県にまたがるリバーサイドエリアでは、歴史的な水運文化と醸造文化を生かした産業・生活拠点を創出する。ナチュラルライフエリアには多古町や芝山町が位置する。子育て環境などを備えた生活拠点を形成する。成田市や富里市が位置するアーバンエリアでは新たな経済交流拠点として、市街地再生と文化的資源の調和を目指す。
 横芝光町や山武市が位置するシーサイドエリアでは、九十九里浜の景観や地域資源を生かすとともに、誘客施設の整備を進める。
 このほか、各エリアの産業や居住、観光拠点をつなぐ効率的な地域公共交通ネットワークの形成、食や歴史、自然などのテーマで周遊できる観光拠点の形成にも取り組む。
 今後は2030年にかけて用地取得や空港本体施設の設計・工事、産業拠点の開発地区の選定、インフラ整備などを進める。
 熊谷俊人知事は終了後、報道陣に対し、「行政と民間、市町の枠を超えて、成田空港を中心とする都市圏の形成を目指していく」と述べた。