フィーチャーインタビュー2025・住友大阪セメント 諸橋 央典社長 | 建設通信新聞Digital

8月29日 金曜日

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フィーチャーインタビュー2025・住友大阪セメント 諸橋 央典社長

【価格改定で黒字転換、営業増益/豪州は踏み込んだ事業展開】
 国内セメント需要の減少が続いているが、「官公庁では防災・防衛、民間では半導体や再開発などの需要がある。人手不足の状況や施工方法が変わってくれば、反転も十分考えられる」と前向きな姿勢を示す。来たるべき時に備え、経営基盤のさらなる強化を図るとともに、諸課題の解決に向けて意を注ぐ。  --2024年度の振り返りを
 「23年度まで赤字だったセメント事業が24年度、黒字に転換した。これが大きかった。石炭価格がようやく落ち着いてきた上、24年度以前に実施した価格改定の効果が通年で表れた。トータルでは前期に比べ減収だったが、営業利益では20億円以上の増益となった」
  --セメント事業の逆転劇は
 「22年以降、トータルで約5000円の値上げに取り組んできた。これをきっちりやり遂げた。ロシアのウクライナ侵攻を機にエネルギー価格が高騰する中で、営業部隊が必死で得意先の説得に回ってくれた」
  --4月からの値上げは
 「5月時点で7割ほどの顧客から、おおよそ満額の回答を得ている。上期中には、全ての交渉を成立させて、10月ごろから100%の効果を出したい」
  --セメント内需の停滞については
 「昨年度は、期初に3500万tの見通しを立てたが、結果として3266万tだった。今年度は第1四半期を終え、速報で前年比93.5%だ。このペースが今後も続けば、25年度は3000万t強になる」
 「内需が停滞する背景には、人手不足に加えて、働き方改革で(月当たりの)現場の稼働日数が減っていることもあるだろう。昨今の猛暑で休息を取る回数も増えている。すると、1日当たりの実質的な現場稼働時間は減る。現場の業務進捗(しんちょく)が遅くなれば、需要が影響を受けるのは必然だ」
  --育成就労制度への期待は
 「外国人材の活躍、施工の省力化が進めば(セメント内需にも)効果は出てくるだろう」
  --海外事業は
 「オーストラリアのセメントターミナル稼働から今年で4年がたつ。昨年ごろからようやく軌道に乗り、利益が出るようになった。同国ではもう一歩踏み込んだ事業展開をしたい」
  --26年度開始の排出量取引に関しては
 「熱エネルギー源となる石炭由来のCO2排出を抑える投資をここ数年進めてきた。石炭購入量が減るなどの形で、今年から効果が出てくると思う」


 (もろはし・ひろつね)好きな映画監督は山田洋次氏。日本映画の金字塔『男はつらいよ』シリーズは全部見た。好きなキャラクターは浅丘ルリ子演じるリリー。