7府県で下請次数制限導入/重層構造の改善図る/国交省調査 | 建設通信新聞Digital

11月29日 土曜日

行政

7府県で下請次数制限導入/重層構造の改善図る/国交省調査

7府県の次数制限の取り組み内容
 国土交通省の調査によると、公共工事での重層下請け構造の改善に向けて、都道府県・政令市のうち7府県で下請けの次数制限を導入していた。施工責任の不明確化や労務費へのしわ寄せといった重層化に伴う課題の解決につなげる狙いがある。徳島県では7月から次数制限の試行を開始するなど、地方自治体による独自の取り組みが広がりつつある。 調査は2025年度下期ブロック監理課長等会議に先立ち実施した。次数制限を導入している7府県の取り組みを見ると、建築一式工事は3次以内、土木一式工事は2次以内に制限しているケースが多い。
 三重県は全ての工事を対象に、下請け次数を2次以内(建築一式工事は3次以内)に制限しており、次数を超える下請け契約を締結する場合は事前に発注者に承諾を得ることを求めている。
 福井県も建設工事元請下請関係適正化指導要綱で建築一式工事は3次以内、それ以外は2次以内(設計額1000万円以下の土木一式工事は1次以内)に下請け次数を制限。要綱に違反した場合は指名停止措置を検討するとしており、実効性を確保している。
 徳島県は7月から下請け次数制限の試行を始めた。当初請負対象金額5000万円以上の土木一式工事と建築一式工事を対象とし、次数を超える場合は施工体制台帳と施工体系図の写し、理由書の提出を求める。
 和歌山県は専門工事業者の保護・育成の観点から、土木工事、建築工事、電気工事、管工事以外の専門工事業種にかかる建設工事について、下請け次数を1次までに制限。専門工事業者の元請けとしての受注機会の確保につなげている。
 長崎県は総合評価方式の対象工事で下請け次数の制限を評価している。評価項目に「適切な下請け契約」を設け、入札参加者が下請け次数を2次まで(建築一式工事は3次まで)に制限すると誓約した場合に加点を講じ、完成検査時に施工体系図などで履行確認している。