【安全・環境・品質をどう追求?/経営と現場つなぎ施策実践】
世紀東急工業の豊田公之事業推進本部安全環境品質部長は、全国の現場で勤務してきた中で、安全に関連する取り組みを最重要課題としてきた。「社員や協力会社、その家族を守る義務がある」と覚悟をにじませ、これまでの取り組みを協力会社も含めた形で全社に広げていく。企業の根幹となる安全・環境・品質の確保を担うが故、「一歩前に出て部署の取り組みを共有し、各部署や支店と連携しながら施策を実践する」との考えも示す。「経営と現場との橋渡し役として、縦横断的な実効性のある仕組みづくりと、風土の醸成を推進したい」と語る豊田氏に、今後の方針を聞いた。
--部署の方針は
「安全面は、安全衛生基本方針『安全はすべてに優先する』を徹底し、ゼロ災害を目指す。長期ビジョン『2030年のあるべき姿』でも、環境や自然災害は重要なテーマに位置付けており、環境・品質面はさらに視野を広げ、取り組み内容を突き詰める」
--安全の取り組みは
「事故はヒューマンエラーに起因することが多い。人間は集中力が長く続かないため、『ヒューマンエラーは発生する』という考え方に切り替える。ソフト面の対策でヒューマンエラーを起きにくくする環境を構築するとともに、ヒューマンエラーが発生しても軽微な事故にとどめるハード面での対策を充実させる。例えば、側溝への落下を防ぐため、側溝沿いにパイロンを置くなど、少しの配慮や心遣いを大切にする」
--環境への対応は
「環境対応は、他社に比べて先行していると自負している。協力会社のCO2排出量削減の取り組みも支援するなど、グループ一体で動く」
--課題は
「夜間工事後に運転するケースも多く、社員の交通事故防止を徹底したい。急ハンドルや急発進、脇見といった危険運転をドライブドクターで検知し、メールで発信している。昨年からは安全運転指導員を社内で選定し、若手社員に安全運転について指導する『安全運転指導員制度』を導入したことなどで、交通事故の件数が大幅に減った。今後、ドライブドクターの設置台数を増やすほか、指導員を付ける対象社員の範囲を広げる」
「工事着手前に行う施工検討会では、予算や工程、品質をメインに議論しているが、死亡・重大災害のリスクを抽出し、対策を明確に示すなど、安全に関する検討も確実に行える環境を構築する」
--協力会社との連携は
「全国の850社以上の災害防止協力会の会員との連携をさらに深める。北海道支店長時代、協力会社の出席者数を増やした。現場のパトロールに同行してもらい、その結果を協議会で共有するなど、意見が言いやすい雰囲気づくりを心掛けている。今後も各支店を回り、良い取り組みは横展開していく」
--熱中症対策は
「道路舗装業界は、150度程度の高温のアスファルト合材を使うことが多く、特に夏場の作業環境は過酷だ。体調不良をためらわずに申告できる環境を整える。熱中症の疑いがあったら躊躇(ちゅうちょ)せずに救急車を呼ぶことを徹底しており、去年は重篤者がいなかった。休憩を多く取る、午前11時から午後2時くらいまでは作業を休止する、オリジナルのファン付き作業着を配布するといった対策を展開している」
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(とよだ・きみゆき)1988年3月九州産業大工学部土木工学科卒後、同年4月世紀東急工業入社。2017年4月中四国支店長、23年4月北海道支店長などを経て、26年4月から現職。50歳から始めたフルマラソンは、これまでに8回完走。「今年は福岡マラソンと東京マラソンに挑戦したい」と意気込む。印象に残った仕事には、高速道路の集中工事を挙げる。「規制をかけて工事する2週間は土日も休まず寝ずに仕事をした。つらい工事だったが、終わった時のやりがいが印象に残っている」。福岡市出身、60歳。
