発注工事円滑化へ"心得"/受注者のしわ寄せ防止/四国整備局 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

行政

発注工事円滑化へ“心得”/受注者のしわ寄せ防止/四国整備局

 四国地方整備局は、発注工事を円滑に進めるため『発注者の心得』を策定した。工事に携わる全職員が取り組むべき内容を明文化した。“とりあえず発注し、後は現場任せ”からの意識改革を促す。工事発注段階だけでなく、設計から工事実施までを意識した発注に徹することで、受注者へのしわ寄せをなくす。長時間労働を削減し、利益率を高めることで魅力ある産業を目指す。
 同局は、工事関係書類を統一化するなど建設技術者の負担軽減に取り組んできた。しかし、建設現場では工事発注後、受注者の時間外労働の多くが工事書類の作成に費やされている現状がある。アンケートでも「発注者との協議資料が多い」「発注前の調整・検討不足があり、工事着手までに期間がかかる」などの声がいまだに多い。
 今回の心得を契機に年間業務サイクルを見直す。フロントローディングの考えを導入し、課題の抽出や検討過程を前倒しする。これにより、工期全体の総業務量を削減させる。予算要求だけを仕事とせず、事業の進捗(しんちょく)を踏まえた全体マネジメントを事務所全体で取り組む。業務内容もDX(デジタルトランスフォーメーション)で簡略化するとともに、優先順位が低く、陳腐化したものはやめる。
 現場施工をより意識した設計を心掛ける。経済性だけでなく、施工性や安全性を考慮した設計とするほか、省力化を踏まえたプレキャスト製品を導入する。
 工事積算を積算補助業務に依頼する際は検討会を開く。条件明示の項目別チェックリストなどを活用し、工事発注に際しての課題や発注後の対応方針を明確化する。同検討会には副所長または事業対策官、工事品質管理官の出席を必須とする。