【BIM/CIM2024⑥】ミルトス 業務最適化に向けたソリューション提案 | 建設通信新聞Digital

5月1日 木曜日

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【BIM/CIM2024⑥】ミルトス 業務最適化に向けたソリューション提案

 欧米のCADやCAEソフトウエアの日本国内の販売代理店を務めるミルトスは、業務最適化に貢献する3次元データ活用のソリューション提案を軸に幅広く事業展開している。2003年の設立時は製造業を中心に活動してきたが、現在では建設分野でも数多くの販売実績を持ち、建設業界での知名度も高まってきた。妹尾陽三社長は「3次元データをどう有効活用するかをコンセプトに定め、役立つ製品提供を進める中で、近年は建設分野との結びつきが強まってきた」と語る。

妹尾社長

 同社は「簡単で手軽、活用して効果が発揮されるソフトウエア」(新田栄二ITソリューション担当)を信条に、一次代理店として主に3製品を建設分野に販売している。主力ソフトウエアの1つが米DotPro社の「Dot3D for ios LiDAR」だ。iPhone ProなどのLiDAR(レーザー式測距装置)センサーをスキャナに進化させ、簡単に素早く大規模容量の3次元点群データを生成できる。国土交通省の「BIM/CIM原則適用」を追い風に、採用企業が増加傾向にある。ウェブブラウザ上で3次元CADモデルなどを仮想空間上に実寸で表示できる「iQ3 Connect」やさまざまなCADフォーマットを直接読み込んでデータ変換できる「3D Evolution」も顧客からのニーズが高い。

 同社の建設業界に向けたソリューション提案は、ソフトウエア販売だけにとどまらない。今夏にミルトスとDotProduct社、横河ブリッジの3社で、橋梁建設現場のアンカーボルトの配置や傾きを正確に計測・判定できるシステムを共同開発した。ミルトスはこれまでも道路・施設舗装分野で地崎道路、設備分野できんでん、地場ゼネコンでは岩田組らと共同で課題解決に取り組んできた実績がある。新田氏は「今後も最前線の現場が抵抗感なく使えるツール開発を推し進め、積極的に連携していきたい」と意気込む。

 さらなる事業拡大を進める中で、大規模展示会への継続出展に加え、9月に東京都内で開いたソリューションセミナーの地方開催も視野に入れながら、建設業に自社製品をアピールする場を増やしていく。妹尾氏は「今後もメーカー、ディストリビューター、それに関連する企業が一丸となって付加価値の高いソフトウエアを開発し、人手不足が深刻な地方の中小企業の業務最適化にも役立てていきたい」と強調する。BIM/CIM原則適用を機に同社の活躍の場が一気に増えてきそうだ。

今後も付加価値の高いソフトウエアを開発していく



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