同ダムは、思川開発事業の基幹施設として、利根川水系渡良瀬川の支川である思川の上流部に築造する。計画高水流量毎秒130m3のうち毎秒125m3の洪水調節を行い、中下流地域の洪水被害を軽減させる。思川支川の黒川、大芦川とダムを導水路で結んで水融通を図り、水道用水の供給や既得取水の安定化を目指す。
ダム本体工事の施工は大成建設が担当。近代的施工法で建設する本体ダムとしては国内で初めて「コンクリート表面遮水壁型ロックフィルダム(CFRD)」を採用し、20年12月から本体建設に着工、23年8月に堤体盛立を概成した。
現地で11月8日に開かれた式典には関係者約70人が参加し、ダムの本格運用に向けた試験湛水の開始を祝った。
ダムの概要は、堤高86.5m、堤体積約240万m3。総貯水容量は5100万m3。黒川導水路は延長約3㎞、最大通水量毎秒8m3。大芦川導水路は延長約6㎞、最大通水量毎秒20m3。総事業費は約2100億円。