横浜市住宅供給公社は、横浜市の中期計画と公社中期展望で掲げる脱炭素化に向けた先導的モデル事業に位置付ける「(仮称)市ヶ尾マンションプロジェクト」を本格始動させる。企画提案公募で選定した大洋建設(横浜市、黒田憲一社長)と協定を締結し、省エネ性能の高い6階建て木造賃貸住宅を整備する。
木造の高層賃貸住宅の建設は、全国の地方住宅供給公社として初めてという。設計・施工は大洋建設が担当、市浦ハウジング&プラニングが設計業務に協力した。今後、既存建物解体工事に着手し、2028年1月末の竣工を目指す。
同プロジェクトは、国土交通省の「令和7年度優良木造建築物等整備事業」に22日付で採択された。
建物には、P&UA構法を採用する。国産スギ・ヒノキの構造用集成材を用いた二方向ラーメン架構とし、1階下屋部分は国産材を柱・梁(はり)に使った在来軸組とする。20社を超える企業が共同開発した同構法を開発企業以外の建設企業が採用する先駆けとも位置付けている。
規模は、木一部S造6階建て延べ1510㎡。1、2階は1.5時間、3-6階は1時間の耐火性能を備える。総戸数は29戸を想定している。低層部には多目的スペースも設ける。
東急田園都市線市が尾駅の駅前広場に面した立地を生かし、木質感ある外観デザインとすることで建物の先進性をアピール。外壁やバルコニー手すりに木目調の不燃窯業系サイディング材を使用するほか、軒天やバルコニー前のアルミルーバーへの木目調デザイン採用も予定している。
断熱性能はZEH-M(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスーマンション)基準とし、高効率設備の導入によりZEH-M Orientedの取得を目指す。屋根の一部には太陽光パネルを設置する。
公社の脱炭素化に向けた施策を周知するため、躯体架構が見える上棟時に現場見学会、竣工時には内覧会を開く予定だ。竣工後も多目的スペースを活用して木造建築への理解を深める機会を設ける。
建設地は、横浜市青葉区市ヶ尾町1156-3の敷地617㎡。
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