仙台建築都市学生会議が主催する「せんだいデザインリーグ2025卒業設計日本一決定戦」の公開最終審査が9日、仙台市のせんだいメディアテークで開かれた。「日本一」には永井銀河さんと松村拓宙さん、吉田和馬さん(いずれも早大)の『呼吸するとぐろ―トンレサップ湖・湖上拠点』が選ばれた。「日本二」は中村紗也佳さん(奈良女子大)の『平成新山のふもとで生き続ける島原へ―溶岩ドーム崩壊という自然現象と共存する今後の安中地区の在り方』、「日本三」は渡辺椎菜さん(工学院大)の『空地から種地へ―池袋本町都市計画道路における未来の交配実験』だった。
日本一に輝いた『呼吸するとぐろ』は、東南アジア最大の湖トンレサップ湖(カンボジア)をテーマに据えた。乾期と雨期で最大7mになる水位の変化を踏まえ、湖上での生活や漁獲量の減少などの課題を抱える中、季節によって変化する湖での漁民の活動を支えるとぐろ型の漁業拠点を通じて、適切な距離感による漁民と湖の関係性の再構築を提案した。
総評した重松象平審査委員長(OMAパートナー・ニューヨーク事務所代表)は、「形態や抽象的に自分の内面と向き合った建築や社会的アプローチなど、多様性が生まれていることが好ましかった。建築自体がもう少し社会自体に浸透し、理解され、さらなる発展につながってほしい」と期待を込めた。
このほか、特別賞は山本拓二さん(大阪工大)の『尼崎ラプソディ―モノ・コト・ヒトの流通による「らしさ」の醸成』、半田洋久さん(芝浦工大)の『、ヒトがいる、モノがある、暮らしがある、-場所の再調整、仲間との実装の経過報告。令和6年能登半島地震被災地、黒島地区から』がそれぞれ選ばれた。
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