【普及が進むCCUS応援自販機】32社150現場で導入/サントリービバレッジソリューション | 建設通信新聞Digital

5月28日 水曜日

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【普及が進むCCUS応援自販機】32社150現場で導入/サントリービバレッジソリューション

 サントリービバレッジソリューションが開発した「CCUS応援自販機」が着実に普及している。自販機にCCUS(建設キャリアアップシステム)カードをタッチすると技能者に飲料を無償提供するサービスで、3月末までに32社の計150現場(30都道府県)に導入された。福利厚生の充実や熱中症対策、コミュニケーションの活性化などが期待でき、現場だけでなく事務所に設置する事例も出始めている。CCUS応援自販機を導入した富山県内の2社にその狙いや効果を聞いた。

◇熱中症対策で事務所に設置/宮窪建設(富山県砺波市)


 型枠大工の専門工事会社である宮窪建設(富山県砺波市、宮窪大作社長)は、2年前からCCUS応援自販機の導入を始めた。CCUS応援自販機は元請けが負担して建設工事現場に置くのが一般的だが、同社は導入企業で唯一、会社事務所に設置し、社員である技能者に熱中症対策としての利用を促している。

 手掛ける仕事の大半を公共土木工事が占める同社は、いち早くCCUSの登録を完了させた。一方、同社によると県内ではまだCCUS活用工事の件数がそれほど多くなく、社員が現場でカードをタッチする機会が少ないという。そのため、福利厚生の充実だけでなく、社員にCCUSカードの所持意識を持ってもらうためにも、CCUS応援自販機の導入を決めた。

 CCUS応援自販機を設置した過去2年間は、暑さが厳しくなる7月から10月の4カ月を対象に、カードタッチで1日1本の飲料を無料提供していた。利用する社員からも「好きなタイミングで(飲料が)もらえることが良い」と好評を得ている。同社はこれまでも熱中症対策として会社負担により社員用の飲料を毎朝用意していたが、「自販機だと社員がほしいタイミングで冷えた飲料を提供でき、社員にとっての利便性が高い。1日1本は会社に必ず用意されているため、社員にも安心感を与えられる」(同社担当者)とそのメリットを実感している。

 同社は、担い手確保の観点からもCCUS応援自販機を働きやすい環境整備の一助としたい考えを示す。周辺地域では人手不足などを理由に廃業する会社や店が増えているといい、同社の担当者は「地域が疲弊している。人手不足を何とか改善しなければ大変なことになる」と危機感をあらわにする。

 今後は夏季だけでなく通年にわたり利用できるようにすることや、提供する飲料の種類を増やすことなども検討していくという。同社の担当者は「こうした取り組みからでも会社の福利厚生を充実させていきたい」と力を込める。

◇施工現場の活性化に寄与/近藤建設(富山市)


 民間建築工事を主体とする近藤建設(富山市、近藤裕世社長)は、2024年4月から施工現場でCCUS応援自販機の設置を始めた。同年5月に迎えた会社創立75周年に合わせた取り組みで、技能者のCCUS登録の普及と現場の活性化につなげることを目指している。

 同社は当初、富山市発注の中学校体育館主体工事と、民間のスーパーマーケット新築工事の2現場で1台ずつ導入した。既に両現場とも工事を終え、同年12月からは民間企業の社屋新築工事と、自動車関係のショールーム増築工事にそれぞれ設置している。カードをかざすと1人につき1日2本まで無料で飲料がもらえる。

 北野貴志取締役建設本部本部長兼建築部部長は「弊社はCCUSとグリーンサイトを導入していたこともあって、CCUS応援自販機の存在を知り導入を決めた」と説明する。技能者の現場入場時のカードタッチの習慣化に寄与することも期待している。

 設置現場では、主に休憩時間にCCUS応援自販機が利用されており、技能者からは「『うれしい』や『やる気が出る』といった声が寄せられている」(北野本部長)という。また、CCUS応援自販機を通じた技能者同士のコミュニケーションも生まれており、設置の狙いだった現場の活性化にも大きく貢献している。北野本部長は「CCUSカードによって無料で飲み物がもらえることで技能者は応援されていると感じられるのではないか。(CCUS応援自販機を)設置している現場に行きたいという声も聞く」と語る。

 同社はこれまでも働きやすい現場環境の整備に力を入れてきた。特に熱中症対策では、7年前から現場に飲料を常備し、アイスクリームを配布する取り組みも展開している。現在、CCUS応援自販機を設置している2現場は真夏に最盛期を迎えるため、無料の飲料提供で酷暑対策のさらなる充実を図る。これまでの導入効果を踏まえ、今後は同社が施工する全ての大型現場での設置を検討していく。

◇問い合わせ先

サントリービバレッジソリューション株式会社
東日本法人営業統括部広域法人三部 安食淳
電話:03-6775-7330
携帯:070-2299-6659
電子メール:Jun_Anjiki@sbs.suntory.co.jp
 

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