【18社73現場で導入】CCUS応援自販機/振興基金×サントリービバレッジソリューション | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【18社73現場で導入】CCUS応援自販機/振興基金×サントリービバレッジソリューション

建設業振興基金がサントリービバレッジソリューションの協力の下、企画した「CCUS応援自販機」が広がりを見せている。当サービスは2022年8月に開始し、24年3月末までに18の企業で、計73の現場が導入している。対象自販機にCCUS(建設キャリアアップシステム)カードをかざすと、元請けが負担する形で無料の飲料が提供される。技能者の福利厚生に寄与するだけではなく、就業履歴を蓄積するカードタッチの習慣化や、現場でのコミュニケーション創出にも一役買っている。実際に導入された現場へ、その効果やメリットを聞いた。

【技能者間の会話生まれる/長谷工コーポレーション】

長谷工コーポレーションが設計施工を手掛ける東京都港区の「(仮称)港区港南3丁目計画新築工事」は、CCUS応援自販機を導入した現場の一つだ。大和ハウス工業の発注により地下1階地上28階建て延べ4万4010㎡の共同住宅を建設するプロジェクトで、25年1月末の完成に向けて工事は最盛期を迎えている。

日々200-250人の技能者が働くこの現場では、23年4月にCCUS応援自販機を導入した。1人当たり週に1本の飲料が無料で提供される。エナジードリンクなどもラインアップに含まれており、休憩時間によく利用されているという。

(左から)小野寺さん、高澤上席所長


長谷工コーポレーションはCCUSの普及・活用を推進するため、一定の規模や工期を満たす工事への導入を決めた。この現場もその一つに選ばれ、設置することとなった。

同社の高澤康人上席所長(役職は取材当時)は「CCUS応援自販機の利用率は確実に上がっている」と説明する。また、導入後は就業履歴を蓄積するためのカードタッチ率も上がっているという。「日々の朝礼で呼び掛けているが、CCUS応援自販機のおかげもある」と見ている。

職長会会長を務める平岩建設の小野寺拡さん(とび)は「目に見えて自分たちの得になる良い取り組み」と率直な思いを語る。職長として、これまでも他の技能者に就業時のカードタッチを呼び掛けるなど現場内で積極的にコミュニケーションを取ってきたが、CCUS応援自販機の導入を機に「これまであまり話さなかった若い技能者とも『ジュースもらった?』といった会話が生まれている」と笑顔を見せる。

【カード所持を意識付け/鴻池組】

東京都品川区が発注し、鴻池組・仲岡建設・東工務店JVが施工する「浜川中学校校舎改築その他工事」も22年7月の着工以降、程なくしてCCUS応援自販機を導入した。1人当たり週に1本の飲料が無料で提供される。鴻池組の江口貴志所長は「元請けとしてCCUSに力を入れているアピールにもなる」とその意義を語る。

(左から)江口所長、小笠原さん、天木さん


工事は学校の供用を続けながら、体育館や校舎、プールを順繰りに建て替えていく。新たな体育館の完成に伴い現在は旧体育館の解体が進んでおり、1日20人程度の技能者が働いている。

鴻池組は第1号機となるCCUS応援自販機を別の現場に導入しており、この現場ではそれに次ぐ第2号機を設置した。江口所長は「技能者からは好評を得ている。CCUSカードの所持を意識付ける効果もある」と説明する。

現場で働くイガワの小笠原龍平さん(解体)と天木大さん(とび)もCCUS応援自販機の設置を歓迎している。小笠原さんは「1日に1、2本は買うので、無料でもらえるのはうれしい」と感想を口にする。天木さんも「他の現場にも広がってほしい」と期待を寄せる。

最盛期の25年後半からは躯体工事が終盤を迎え、内装工事が始まるため、より多くの技能者が働くことになる。CCUSに登録していない技能者の入場も見込まれることから、CCUS応援自販機を一つのきっかけとして登録を促していきたい考えだ。

工事完了は27年8月下旬と長丁場になるが、江口所長は工期末までCCUS応援自販機を設置する方針を示す。飲料の提供を通じて、現場で汗を流す技能者をこれからも支え続けていく。

問い合わせ先
サントリービバレッジソリューション株式会社
法人営業本部 東日本法人営業統括部 広域法人三部 安食淳
電話:03-6809-6172 ファクス:03-6453-8748
携帯:070-2299-6659
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