【インフラメンテ大賞受賞】開削不可能な場所の既設径年管更新を可能に! デックのSDF工法 | 建設通信新聞Digital

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【インフラメンテ大賞受賞】開削不可能な場所の既設径年管更新を可能に! デックのSDF工法

日銀前(施工写真)

 デック(川口真二社長)の「SDF(ステンレス・ダイナミック・フレキ管内挿工法)工法」が第1回インフラメンテナンス大賞の厚生労働大臣賞(技術開発部門)を受賞した。ステンレス・フレキ管を使って既設経年管水道管路を更新・耐震化する新工法で、7月末現在の施工件数は148件と順調に実績を積み重ねている。今後は径500mm(既設管径800mm)管のWSP(日本水道鋼管協会)規格化を進め、さらなる受注拡大を目指す。
 同工法は、従来の既設管内挿入工法では施工できない曲がり管を含む中小口径の既設径年管にステンレス・フレキ管を引き込み、管路を更新する。軌道下や河川の横断、交通量の多い道路など開削工事が不可能な場所の更新を可能にし、施工時間の短縮や長期耐食性・耐久性に優れる。

SDF管

 技術開発のきっかけは2006年度に受注した横浜市の径400mm(既設管径600mm)管の敷設替え工事。工事場所は商店街入り口の交差点で人通りが多く、他企業のケーブル埋設など悪条件が重なり、1区画がどうしても掘りきれなかった。市水道局の助言を受け、ステンレスのフレキ管を使用した結果、短時間で施工を完了。夜間工事を視察した川口社長は導入効果に驚き、「規格化して製品化に結び付けよう」と考えた。
 翌年6月にメーカーなどと協議会(現SDF技術協会)を立ち上げて試験を重ね、データを蓄積。この中で「直角の曲がり部を通過できることも確認した」という。09年度にはウインチカーを導入し、張力のコンピューター管理を実現。これによって施工状況を可視化できた。こうした各種実験を積み上げ、10年12月8日にWSP規格となった。
 川口社長は、他の挿入管工法と違ってSDF工法は既設管に頼ることがなく、自立管として機能し、耐震性も付与できる。1時間に延長120mを引き込んだ実績もあり、「施工時間の短縮も可能になる 」と効果を示す。さらなる施工範囲の拡大に向け、現在は径500mm管の90度曲がり引き込み実験を進めており、「12月までに規格化したい」と意欲を燃やしている。デック 横浜市中区相生町6-102。電話045-671-1661。

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