KAPシステムの2024年度売り上げも前年度実績を上回る。KAPシステム部システム営業課の川筋紳平主任は「ウィンドウズ版への切り替え需要が要因の1つ」と説明する。これまではオープンソースのオペレーティングシステム(OS)としてLinux版を位置づけてきたが、ユーザーからの要望を受けてウィンドウズ版に一本化することを決めた。5年以内には全て移行を完了する予定だ。
大型建築プロジェクトに強みを発揮するKAPシステムにとって、自動化機能の拡充もユーザーの支持を集める要因の1つになっている。現時点で18項目もの自動化を実現しており、ユーザーの要望を受けてさらに拡充していく方針だ。「営業と開発の担当が密に情報を共有し、常にユーザーの声を新機能として実装していく流れが整っている。随時更新で最新機能を提供する迅速さがKAPシステムの強み」と付け加える。
鉄骨ファブリケーターでは、BIMデータを使って鉄骨の製造管理を省人化する動きが広がりつつある。播磨氏は「将来を見据えてKAPシステムの大幅な刷新も準備している」と強調する。既にデータ連携が整うタイワ(愛媛県新居浜市)の鉄骨汎用CAD『実寸法師』へKAPで出力した主要部材の図面を転送し、二次部材の入力や調整を行いKAPモデルも同時に更新され、モデルと図面が分断されないフローを実現している。「実寸法師とのデータ連携もより強固になるだろう」と先を見据えている。
国土交通省がかじを切るBIM確認申請も見逃せない動きの1つだ。川筋氏は「より前倒しでKAPデータを求められるようになり、各専門工事のデータとの結びつきが問われてくる」と考えている。KAPシステムは既に設備CADとのデータ連携環境を整えている。播磨氏は「他の専門CADとの連携拡大も含め、KAPシステムは進化を遂げていく」と力を込める。