【徹底的に機械化】1人で鋼製支保工設置が可能に! 前田建設・古河ロックドリル・マックの共同開発ロボ | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【徹底的に機械化】1人で鋼製支保工設置が可能に! 前田建設・古河ロックドリル・マックの共同開発ロボ

 前田建設は、古河ロックドリル、マック(千葉県市川市)と共同で「鋼製支保工建込みロボット」を開発した=写真。人力作業を徹底的に機械化し、切羽に作業員が立ち入ることなく山岳トンネル用鋼製支保工を設置できる。省人化や施工サイクル短縮による大幅な生産性向上が期待されている。
 同ロボットは、支保工に装着した測量用プリズムや後方に設置した自動追尾型トータルステーションなどを組み合わせた「支保工位置ナビゲーションシステム」と支保工位置を微調整できる「高性能エレクターマシン」で構成。運転席のナビゲーション操作盤を使用するだけで高精度な支保工建込みを施工できる。
 また、作業員の切羽立入を不要とするためワンタッチ式クイックジョイントを活用した天端継手締結やエレクターで支保工を把持しながらのコンクリート吹付けを実現した。標準的な施工ではオペレータ1人と作業員4人が必要になるが、同ロボットを導入するとオペレーター1人の機械作業となるため、生産性向上だけでなく切羽肌落ち災害の撲滅にも貢献する。
 切羽肌落ち災害は山岳トンネル特有の労働災害だが、統計上では鋼製支保工建込み作業中の被災事例が最も多い。2016年に厚生労働省が通知した「山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に係るガイドライン」では、事前調査による地山の状況把握や肌落ち防止計画の策定に加え、機械化による事故防止対策を事業者へ要望している。
 同ロボットの鋼製支保工建込み性能の確認は既に工場で完了しており、今年度中には実際の現場への導入を開始する予定だ。

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