【記者座談会】第104代首相に高市氏/建築団体の全国大会 | 建設通信新聞Digital

10月26日 日曜日

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【記者座談会】第104代首相に高市氏/建築団体の全国大会

◇新連立政権下の財政政策動向を注視

高市新首相の会見 出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/)


A 高市早苗氏が21日の臨時国会で第104代首相となり、高市内閣が発足した。国土交通相には副大臣の経験を持つ自民党の金子恭之氏が就いた。

B 女性の首相は憲政史上で初めて。日本の歴史がまた一つ動いたと言える。

C とはいえ、公明党の連立離脱、日本維新の会との連立成立と、総裁選から首相指名までの道のりはかなり難航していたように思える。

A 今後の采配でそうした不安感を払拭してほしいところだが、政策についてはどうだろうか。

D 高市氏はもともと積極財政派で、国土強靱化といった政策にも理解を示していた。21日の初閣議では早速、総合経済対策の策定を指示している。大胆な危機管理投資と成長投資で暮らしの安全・安心の確保と強い経済を実現するなどとしている。

B 建設業の立場からは、そうした考え方を維新との連立関係の中で維持できるのかがポイントになってくる。

C 維新は自民との連立に向けて示した12の条件の中で、経済財政政策の見直しを求めている。財政健全化と成長戦略を両立させるため、というのがその理由だ。

B 実際に連立政権合意書を見ると、「社会資本整備」「国土強靱化」という言葉はどこにも見られない。この経緯を見ていると、高市氏が公共投資を中心とした積極財政を貫くのは厳しいかもしれないね。

D 新首相と維新との関係性もそうだが、連立政権が少数与党である限り、野党との政策協議も重要な視点だ。

C 国土強靱化、社会資本整備、公共投資など、政策にどういった影響が加わるのか、注意深く見ていかないといけない。

◇地方を活性化 若手参加促す工夫も

A ところで、建築関係4団体は毎年、それぞれ全国大会を開いているが、今年は日本建築家協会(JIA)を残すのみとなった。既に開催された3団体の大会の取材はどうだった。

E 参加者は講演などを聞いて知識を深めるだけでなく、まちに飛び出して建築を巡ったり、ご当地グルメを堪能したりと、思い思いに過ごしていた。日本建築士事務所協会連合会の上野浩也会長が「地方を活性化する良い機会だ」と言うように、数千人規模が訪れる大会の経済効果は決して小さくない。

F ある建築士の男性は、大会をきっかけに毎年さまざまな場所に訪れることを楽しみにしていると話していた。80歳を超えてもまちに繰り出すパワフルさに圧倒された。旅行を兼ねて訪れるシニア世代の夫婦もいた。

E 一方で、式典や懇親会の場に20代や30代の若手が少ないことに不安を感じた。これからも精力的に団体活動を続けていくためには、若手の力が欠かせない。団体幹部への若手の起用も一つの手段かもしれない。

A 各団体は大会開催に際して、若手の参加を促すような工夫を取り入れている。

F 日事連は、高校や専門学校に声をかけ、約200人の学生に講演に参加してもらった。平日の開催だったため、実現は決して簡単なことではなかったはずだ。

E 日本建築学会を見ると、まち歩きイベントでは学生が自ら解説を担当するなど、学生が主体的に参加する取り組みもあった。

F 来月7日に開催されるJIAの大会では、一般参加・学生の参加費を無料にする。中学・高校生の合唱が行われるなど、若い人に建築に興味を持ってもらうきっかけの場になるかもしれないね。

 

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