【Clip'n Climb】"行かなければできない体験"で商業施設に引っ張りだこ! フランスから売り込むクライミング設備 | 建設通信新聞Digital

5月14日 火曜日

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【Clip’n Climb】“行かなければできない体験”で商業施設に引っ張りだこ! フランスから売り込むクライミング設備

バリエーションが広いさまざまなウォール

 欧州を発祥の地に、いま世界的に広がりを見せている屋内クライミング設備がある。既に150もの施設に設置され、アジアでは香港や上海などでも人気が高まっているのが「Clip’n Climb(クリッピン・クライム)」だ。35種類と豊富なバリエーションがある登坂チャレンジウォールを組み合わせ、子どもが安全に、デザイン性の高いウォールクライミングを楽しむことができる。
 この設備は、フランスのクライミング・ウォール専門コンストラクター「ENTRE-PRISES(アントロ・プリーズ)」が販売している。日本ではまだ設置実績はないが、世界的に導入が進んでいるのには、ある理由がある。
 同社のアジア統括マネジャー、ジェローム・ガルシン氏は「世界中のショッピングモールは、いまアマゾンなどのネット販売に押されて集客が伸び悩んでいる。モール側としては、そうしたライバルに負けない集客を得るため、実際にお客さんに来てもらい、楽しんでもらうことを考えている」と話す。
 インターネットでのバーチャルな世界にはない、そこに行かなければ味わうことのできない体験。既設のショッピングモールが提供できる限られたスペースであっても、魅力あふれる場を創出できることが国境を問わず導入を加速させている。
 クリッピン・クライムは、子どもが40分から60分集中して楽しむことができるため、親は買い物をしている間、安心して彼らを預けることができる。また、ウォールは大人も楽しめるため、買い物でなく、この施設目当ての客も多く訪れる。

デザイン性が高く、大人も子どもも楽しめる

 設備は安全面を重要視しており、壁自体はプレイグラウンド施設のヨーロピアンスタンダードを取得。体を支えるハーネスも、きちんと装着しなければ動かない仕組みを取り入れている。「クリッピン・クライムは、安全のチェック人員も少なくて済み、固定費も少ない」と、ガルシン氏は事業的な展望についても優位性を強調する。
 2020年東京五輪では、スポーツクライミングが正式種目となった。欧州を中心に高い人気を誇るこのスポーツは、メダル候補の日本人選手層も厚く、今後さらに注目を集めるのは必至だ。
 アントロ・プリーズ社はスポーツクライミングのウォールも手掛けている。スピード、リード、ボルダリングの3種類の競技があるが、日本で初めてのスピード用のウォールを手掛けたのも同社だ。IFSC(国際スポーツクライミング連盟)の規格で提供しており、アジアでのシェアも高い。

アジア責任者のジェローム・ガルシン氏

 ガルシン氏は「クライミングは見かけ以上に疲れるが、やってみると楽しくて終わるまで夢中になれるので、ジムとしても優れている」と、日本のスポーツクラブなどにも設置の可能性が広がることを期待している。

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