【技術裏表】概算コストをかんたん算出!BIMアドイン「COST-CLIP」販売へ 日積サーベイ | 建設通信新聞Digital

5月9日 木曜日

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【技術裏表】概算コストをかんたん算出!BIMアドイン「COST-CLIP」販売へ 日積サーベイ



日積サーベイ(大阪市)は、BIMソフトのアドイン概算システム『COST-CLIP』(コスト・クリップ)を2022年1月にもリリースする。同社が提供する3次元建築積算システム『HEΛIOΣ(ヘリオス)』のユーザーからは、設計初期段階からのコストコントロール要求が高まりを見せており、1年かけて開発を進めてきた。BIMソリューション部リーダーの生島淳平氏は「BIMで設計しながらリアルタイムに概算コストを出力できる効果を体感してほしい」と力を込める。

生島淳平BIMソリューション部リーダー




【ワンクリックで概算コストを算出できるBIMアドイン『COST-CLIP』/帳票はHEΛIOΣ形式で出力】
COST-CLIPは、BIMソフト『Revit』と『Archicad』のアドインツールとして誕生する。BIMデータの関連情報をもとに概算コストを自動算出するツールとなり、設計で利用中のBIMソフト上で動作し、トップ画面のタブから入って、簡単にコストをはじき出せる。HEΛIOΣと同じフォーマットで各種帳票や明細書の出力も可能だ。

金額まで入力された明細書を作成できる


積算ソフト販売が40年の節目を迎えた同社では、ゼネコンや設計事務所のBIM導入を背景に、HEΛIOΣユーザーを着実に増やしているが、これまでHEΛIOΣによるBIM連携積算は実施設計段階が中心だった。生島氏は「COST-CLIPのリリースによって、当社として設計初期から実施設計まで一貫して対応できる枠組みが整う」と強調する。

COST-CLIPの開発は20年からスタートしたが、設計初期段階への対応については以前から構想として持っていた。近年はBIMの導入拡大に合わせ、より早い段階からコスト把握をしたいとの発注者要求も多く、同社はどのようなシステムとして対応することが最適であるか検討を重ねてきた。「当初は単独のソフトウェアとして提供する案もあったが、BIMソフト上で設計しながらコスト算出ができる方が設計者にとっては使いやすい」と考え、アドインツールを選択した。

第1弾として、コスト算出の際に最も手間がかかると言われている内外装版をリリースする。対象は内装数量(床、巾木、壁、天井、廻縁)、間仕切数量、外装数量(外壁、屋根)、建具となり、今後は対象範囲の拡大とともに、CSVやBCSのデータ出力にも対応できる機能強化も進めていく方針だ。22年夏から秋にかけて第2弾のリリースを予定している。

パイロットユーザーとしてゼネコン、設計事務所、積算事務所から計10数社に依頼し、β版による検証もスタートした。生島氏は「BIMソフトからワンクリックで概算コストを算出できる効果を試してもらい、生の声を踏まえて使い勝手などの最終調整を進めていく」と話す。

第1弾は内外装版リリース



【19日にオンラインセミナーを開催 参加は無料、HEΛIOΣ2022の新機能などを紹介】
同社が19日に開く最新版『HEΛIOΣ2022』のオンラインセミナーで、COST-CLIPの内容が詳しく紹介される。生島氏は「特にHEΛIOΣユーザーには設計初期のコストコントロールツールとして大いに活用してもらいたい」と呼び掛ける。セミナーの参加は無料。グループ会社のバル・システムのホームページ(※詳細はこちらをクリック)から登録できる。

セミナーでは、28項目にも及ぶというHEΛIOΣ2022の新機能も紹介する。具体的には2次元図面を使った積算「イメージ計測」機能を大幅に改良し、配置積算機能の操作性を向上するとともに、躯体関連の明細自動計上項目の拡張や名称・摘要欄などの同義語を一括で統一語に変換する機能なども追加するという。

20年のオンラインセミナーでCOST-CLIPの構想を発表した際、HEΛIOΣユーザーから大きな反響があった。施主からのコスト要求は増加傾向にあり、短期間でコストの算出を求められることも多く、BIMソフトと連携したコストコントロールツールを求める期待がその背景にある。

生島氏は「当社が設計初期から実施設計まで一貫して関わることで、進展するBIMの普及を少しでも下支えしていきたい」と考えている。

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