建築の竣工写真を本業に活動するかたわら、 月に2、3度は現場に出向く。この時は 「カメラマン」から「写真家」の顔に。「作業員一人ひとりの熱意でものづくりが進む建設現場。 生き物が巣をつくる種の不思議さを感じる。 私自身の中にうずく情熱に突き動かされ、撮り続けている」
建築写真の道に進んだのは竹中工務店時代。現場に従事していたころから趣味で人物写真を撮っていた。2001年に配属となった広報部門では社内で写真を撮る文化があり、お手本となる先輩もいた。「写真で生きていきたい」。06年に独立し、翌年にカツタ写真事務所を設立した。
独立後は現場写真をモチーフにした個展『築く』を精力的に開催してきた。出版社の目にとまり、自身初の写真集『建設中。』(発行・グラフィック社)=写真=が誕生した。「建設人には普段の一場面に過ぎない日常が、一般の人たちには見たこともない風景に変わる。建設のすごさを世間に知ってもらいたい」
東京理科大建築学科卒。千葉県出身、55歳。