国土交通省が推進する「i-Construction2.0」は、2040年度までに省人化30%以上、生産性1.5倍という大胆な目標を掲げています。しかし、人口減少、インフラ老朽化、災害激甚化といった課題が重なる中、従来の延長線上では達成は困難です。その鍵となるのは、情報の流通を軸にした自動化と、BIM/CIMを核とするCDE(共通データ環境)の整備です。設計・施工・維持管理の全データをリアルタイムに統合・共有することで、現場の生産性、品質、安全性、そして働き方改革を同時に押し上げる基盤が生まれます。
この変革において、情報共有システムベンダは単なるプラットフォーム提供者ではなく、 業界全体をつなぐ「オーケストレーター」としての役割を果たすべきです。現場で発生する図面改訂、 写真や動画のアップロード、センサー値の閾値超過といったイベントをトリガーに、 AIが文書を自動分類・タグ付けし、承認経路を割り当て、帳票や点検チェックリスト、議事録要約を即時生成する。

こうした情報を確実に共有し、遠隔臨場や監督支援システムと連動しながら、証跡や変更履歴をCDEに集約するインターフェースとなることが求められます。これにより、現場の意思決定は迅速化し、品質と安全性が飛躍的に向上します。
この未来を実現するためには、業界横断の標準化、機能要件の策定、教育・広報活動の継続が不可欠です。
国交省主導から業界発信へとかじを切り、われわれ自身が将来像を描き、ロードマップを提示し、実現プロセスを主導することが重要です。その中心となるのが、一般社団法人建設情報共有システム協会(CISSA)の活動です。
ベンダ間の協調により、業界全体で「情報の力」を最大化し、持続可能な建設業の未来を築くことができます。

