サントリービバレッジソリューションが開発・提供する「CCUS応援自販機」の建設現場での導入が加速している。CCUS(建設キャリアアップシステム)カードの普及や熱中症対策に効果を発揮するとともに、技術者と技能者、ベテランと若手などの垣根を越えたコミュニケーションの活性化にも貢献しているのが特徴だ。CCUS応援自販機を積極的に活用する地域建設業2社の現場での取り組みを紹介する。
山陽工業(広島市、鈴江克彦社長)は、CCUS普及のリーディング企業として、技能者がCCUSカードを運用するための環境整備を推進している。その一環としてCCUS応援自販機を2025年9月に導入した。応援自販機を通じて熟練技能者と同社の若手技術者のコミュニケーションが活発化し、“若手を育てるツール”として技術継承に好循環をもたらしている。
同社の工事の約7割は土木工事で、国土交通省中国地方整備局の直轄工事が中心となる。CCUSは技能者の基盤と考え、建設業振興基金が本格運用した2019年4月に事業者登録した。国交省が20年に募集した実証実験のモニターにもなり、CCUSの普及に取り組んでいる。その一環として応援自販機も導入した。
導入現場は、中国整備局中国技術事務所の災害対策用車両車庫建設工事。1日1本、週3本まで無料でドリンクを提供する。購買課の下村大輔課長は「種類が豊富で評判がよい。様子見していた人も自販機にCCUSカードをかざしてドリンクをもらう人を見て徐々に広がった」と言う。
導入成果として、技能者への飲料サービス、熱中症対策に加え、現場の熟練技能者と若手技術者をつなぐ“コミュニケーションツール”になったのが大きな収穫だった。35歳以下の若手が半数を占める同社では、40代が不足し、技術継承が課題となっているからだ。周藤重吉監査役は「本来は所長が若手を教育するのだが、40代の人手不足で難しい。技術を習得するには技能者の仕事を知る必要があり、熟練技能者から直接教わることが重要だ」と意義を強調する。
一方、若手技術者が熟練技能者と気軽に会話するのはハードルが高いのが実情だ。応援自販機があることで、「技能者が『昨日は自販機に1本もらったから今日はおごるよ』とうちの若手にコーヒーを渡し、会話のきっかけが生まれている。若手も『応援自販機を使ったらどうですか』と何気ない会話ができるため、距離が近づく」とメリットを話す。
自販機を通じて両者の親和性が高まり、現場の分からないところを教えてもらうなど技術継承のツールとして役立っている。「若手が活躍するにはさまざまなフォローが必要だ。元請け、協力会社の立場を超えてチームワークで若手を育てるのが理想。そこにCCUS自販機が貢献している」と目を細める。
下村課長は「当社はCCUSの普及に力を入れてきたが、応援自販機はコミュニケーションツールとしても優秀。設置現場を増やしていきたい」と展望する。

