【インフラメンテ】特殊高所技術で高さ113mから目視・触手点検! 上信越道碓氷橋で義務づけ後 初 | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【インフラメンテ】特殊高所技術で高さ113mから目視・触手点検! 上信越道碓氷橋で義務づけ後 初

ロープで上昇・下降しながら主塔を点検する特殊高所技術の点検員

 NEXCO東日本関東支社は、6日午後9時から7日未明にかけて上信越自動車道を通行止めにして碓氷橋(PC斜張橋)の近接目視・触手点検を実施した。2014年7月の道路法施行規則改正による直接近接目視点検の義務付け後、初の点検で、業務を受託した特殊高所技術(京都市)の点検員が、主塔頂部からロープで降下してケーブル定着部などを確認した。
 碓氷橋は、上信越道松井田妙義IC~碓井軽井沢IC間に位置する長さ222mの2径間連続PC斜張橋で、逆Y形の主塔(高さ113m)が桁を鋼線で一面吊りしている。1992年の土木学会田中賞を受賞するなど構造的・景観的に高く評価されている。
 道路法施行規則の改正では、従来の望遠鏡などによる遠望目視点検から、直接近接目視の点検に変更された。碓氷橋は、車線直上に鋼線が配置されており、近接目視・触手点検のためには上信越道の通行止めが必要になっていた。通行止めを必要としない下部工などの点検は、すでに7月までに完了している。
 6日午後9時からの上信越道通行止め後、点検員が主塔内の点検路を使って主塔頂部に上り、下降・上昇しながら頂部から中間部までのコンクリートの打音やケーブル定着部のゴム製カバーの触手点検などを実施した。主塔中間部以下は高所作業車3台で点検した。特殊高所技術の点検員は「ケーブルの間などは高所作業車では入り込めず、触手点検をするためには人が降下するしかない。ロープアクセスとは異なる安全性の高い技術を生かして、作業車が届かないところを点検できるほか、ひび割れなどを近接での写真撮影も可能だ」とした。
 関東支社の久保竜志佐久管理事務所長は、「点検作業のロボット化も検討したいが、機械の落下リスクなど課題も多い。現段階では直接、触って点検することが重要だ」と強調した。
(※昨日配信時に誤りがありましたので、訂正して再掲載します)

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