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【インフラメンテ】塗るだけで劣化スピードを抑制したい! 染めQテクノロジィが塗料で挑む

最終更新 | 2017/11/20 15:55

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試験では塗料を塗ったコンクリートの母材が破壊された

 塗料メーカーの染めQテクノロジィ(茨城県五霞町)は、高度経済成長期に整備されたインフラやビルなどの老朽化を社会問題ととらえ、それらの主要部を構成するコンクリートと鉄の劣化を抑制するコーティング剤の開発に挑戦している。独自のナノテク技術を生かした商品は、工期を短縮できコストを抑えられ、環境にも優しいことから、補修工事の採用件数を伸ばしており、工場やプラントなどを抱える大手企業が毎週のように全国から会社見学や商談に訪れる。同社の最終目標はコンクリートと鉄にとどまらず、塗るだけで物質の劣化スピードを遅くすることに向けられている。 2002年に設立した同社の取り組みは、創業者でもある菱木貞夫社長が約20年前に単身渡米し、現地の研究機関で学んだナノテク技術がベースになっている。ナノサイズ(1ナノm=0.000001mmm)に細かくしたコーティング剤の粒子が、通常の粒子では大きくて侵入できない素材表面の微細な隙間に入り込んで埋め、接着面を大きくする。これによる密着力の高さが売りだ。
 「何に対しても適用でき、対象物を選ばない」「誰でも使える」の2点を開発方針に掲げる同社の商品は、一般向けの日雑品やDIY商品から、プロ仕様の補修用塗料まで、さまざまだ。
 例えば、社名の由来となっている主力商品の「染めQ」は染色型の塗料で、革や布、木材、プラスチック、金属など幅広い素材に使用可能。ホームセンターなどで販売しており、誰でも簡単に扱うことができる。
 浴槽に使うプロ仕様の塗料は、帝国ホテルやホテルニューオータニ、グランドハイアット東京などのリニューアル工事で実績がある。
 商品を塗って補修すれば、「まるで新品のように戻る」と菱木社長は力を込める。耐久性が増すため、使用期間を延ばすことができ、結果として廃棄物の抑制につながる点も高く評価されている。
 同社がいま、最も力を入れているのがコンクリートと鉄の劣化抑制だ。コンクリートと鉄で構成するトンネルや橋、道路、ビル、工場などの多くは高度経済成長期に完成して以来、40年程度が経過して老朽化が激しい。「すべてを更新できれば良いが、お金を掛けられる時代ではない。全国が同じ問題で困っている。再生・延命化できる商品を開発すれば、社会のためになる」との思いから、開発を進めてきた。
 すでに販売しているコンクリート用の「床塗料シリーズ」は、第3者機関で検証した結果、4ニュートンの力で引っ張っても塗膜が剥がれず、逆にコンクリート母材が破壊されたという。塗装は不可能と言われてきた油まみれや水浸しの床にも、そのまま塗ることができる。

塗料は削っても剥がれない

 鉄さびの進行を遅くする「NKRN」を開発し、18年度から本格的に販売を始める。最大の特徴は、塗膜を剥離するケレン作業が不要な点。塗装の工程を半分程度短縮でき、それに伴って工費も4割程度抑えることができるという。さび止め剤には鉛などの重金属が含まれる場合があり、ケレン作業により、それが粉じんとなって大気に飛散する恐れがある。だが、ケレン作業を必要としないため、環境にも優しい。菱木社長は「さびは自然界の法則で止められないが、遅くすることはできる。NKRNは世の中に大きく貢献できる」と胸を張る。
 最終目標は「物質が劣化する時代を変えること」と菱木社長。「世の中には絶えず変革がある。明治維新は、最初から選ばれた 優秀な人たちが行ったものではなく、困っていた下級武士が立ち上がって実現した。田舎の企業が 何を言っているのかと思う人がいるかもしれないが、技術的には 60点ぐらいのところまで来ている」と話す。技術開発力を磨き続け、「世の中の“困った”を解決する」という 同社の挑戦は続く。

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