【インフラメンテ】交通規制しなくてOK! 三菱電機が新型計測車両を開発 | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【インフラメンテ】交通規制しなくてOK! 三菱電機が新型計測車両を開発

 三菱電機は、高密度3次元レーザーと高解像度ラインカメラを車両に搭載し、道路や鉄道、トンネルを高精度に計測・解析する「三菱インフラモニタリングシステムII」を開発した=写真。昼夜を問わず、交通規制を行わずに道路や線路上を走行しながら計測するため、インフラ点検業務の負荷を大幅に軽減できる。このシステムを使った計測・解析サービスを6日から提供開始した。
 計測車両は、自動焦点機能を搭載した8Kの高解像度ラインカメラとレーザー照明により、走行しながらトンネル全周の高精細画像を撮影する。ボルトの取り付け状態や漏水、ひびなどの状況確認を目視と同等の精度で実現した。専用の走行装置を装備すれば、鉄道にも適用できる。
 毎秒100万点の計測が可能な高密度レーザーを2台搭載し、ミリ単位の精度で位置座標を持つ毎秒200万点相当の3次元点群データを収集する。設計図面、工事完成図が古い場合や存在しない場合でも、計測した3次元データから構造物の現状を正確に把握する。同一個所の過去の計測データとの比較により、経年変化を検出して点検個所を絞り込む。
 独自の画像解析アルゴリズムを使い、幅0.3mmのひびを自動検出することに成功した。3次元データ解析結果とひび解析結果から、ひびに起因するうき・はく離などの変状も自動で見つける。検出した結果は変状展開図に自動で反映し、従来手作業で作っていた点検用、設計用図面などの作成時間を削減する。
 同社は今回開発した計測車両のほかにも、3次元情報と時間軸をベースにインフラ維持管理情報を一元管理する「三菱多次元設備管理システム」や、建設・維持コストと関連付けて維持管理計画を立案する「三菱CIMアセットマネジメントシステム」を順次開発し、市場投入する方針だ。

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