◆駅前地上エリアを歩行者優先空間に
三宮周辺地区再整備基本構想は、おおむね30年後を見据え、三宮駅を中心とした半径500m程度の範囲を対象に魅力・活力の創造や交通結節機能の充実、周辺地域への回遊性向上などで、新しい神戸の玄関口を創造するための整備方針を示す。
事業の柱に位置付ける「えき=まち空間」整備では、JR・阪急・阪神・地下鉄・新交通の駅が集中する三宮において、駅間や駅からまちへの移動利便性向上を図る。
明らかにされた基本計画案では、三宮交差点を中心とした地上エリアの交通量を段階的に制限し、歩行者優先空間(三宮クロススクエア)に転換するとともに、三宮駅の地下と地上、2階の移動利便性を向上。駅前広場も整備する方針を示した。
三宮クロススクエアでは、東西南北にそれぞれの特色を持たせる。東は「にぎわいゾーン」とし、日常的なにぎわいや大規模イベントにも対応する。西は「うるおいと集いゾーン」として、人が集い憩う空間を創出する。
北は「山を感じる自然ゾーン」に位置付け、六甲山を望む新たな視点場を設置。南は「海へつながる環境ゾーン」とし、駅からウォーターフロントへ人の流れを誘導する空間を確保する。
交差点の中心は「象徴ゾーン」とし、神戸の顔にふさわしい空間を形成する。公共空間の利活用・管理運営は民間事業者や行政、市民、まちづくり協議会などで構成するエリアマネジメント組織で行う。
実現に向けて、18年度から三宮交差点で車線減少や歩道拡幅の社会実験を行うほか、駅前広場の整備計画検討に着手する。
◆バスターミナル1期は25年の開業目指す
3期に分けて整備する予定で、1期は再開発会社施行方式により25年度の供用開始を目指す。
2期事業は再開発会社施行や再開発組合施行を候補とし、1期の状況を見ながら事業方式を決める考えだ。29年度の供用開始を目指す。3期については決まっていない。
◆市役所新2号館は延べ約5万㎡想定
中央区役所と勤労会館は葺合文化センターや生田文化会館と複合化した新中央区総合庁舎として、現市役所3号館用地(加納町6)に整備することになった。想定規模は延べ1万8000㎡。700-900席程度のホール機能も設ける。供用時期は21年度を見込む。
市役所3号館の機能は現地で建て替える新2号館(同)に集約する。規模は延べ約5万㎡。25年度以降の開館を目指す。