【新しい神戸の玄関口】「えき=まち空間」で東西南北に特色を 三宮周辺地区の再整備基本構想 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【新しい神戸の玄関口】「えき=まち空間」で東西南北に特色を 三宮周辺地区の再整備基本構想

現在の三宮交差点

 神戸市が2015年に策定した「三宮周辺地区再整備基本構想」の主要事業の概要が明らかになってきた。「えき=まち空間」整備で三宮交差点を中心とした地上エリアを段階的に歩行者優先空間(三宮クロススクエア)に転換するほか、中・長距離バスターミナル整備事業では商業などの機能を複合化させたビルを整備。そのほか、市役所2号館を現地建て替えし、3号館の機能を集約するとともに、中央区役所機能を持つ複合施設を3号館跡地に建設する考えだ。

◆駅前地上エリアを歩行者優先空間に
 三宮周辺地区再整備基本構想は、おおむね30年後を見据え、三宮駅を中心とした半径500m程度の範囲を対象に魅力・活力の創造や交通結節機能の充実、周辺地域への回遊性向上などで、新しい神戸の玄関口を創造するための整備方針を示す。
 事業の柱に位置付ける「えき=まち空間」整備では、JR・阪急・阪神・地下鉄・新交通の駅が集中する三宮において、駅間や駅からまちへの移動利便性向上を図る。
 明らかにされた基本計画案では、三宮交差点を中心とした地上エリアの交通量を段階的に制限し、歩行者優先空間(三宮クロススクエア)に転換するとともに、三宮駅の地下と地上、2階の移動利便性を向上。駅前広場も整備する方針を示した。
 三宮クロススクエアでは、東西南北にそれぞれの特色を持たせる。東は「にぎわいゾーン」とし、日常的なにぎわいや大規模イベントにも対応する。西は「うるおいと集いゾーン」として、人が集い憩う空間を創出する。
 北は「山を感じる自然ゾーン」に位置付け、六甲山を望む新たな視点場を設置。南は「海へつながる環境ゾーン」とし、駅からウォーターフロントへ人の流れを誘導する空間を確保する。
 交差点の中心は「象徴ゾーン」とし、神戸の顔にふさわしい空間を形成する。公共空間の利活用・管理運営は民間事業者や行政、市民、まちづくり協議会などで構成するエリアマネジメント組織で行う。
 実現に向けて、18年度から三宮交差点で車線減少や歩道拡幅の社会実験を行うほか、駅前広場の整備計画検討に着手する。

◆バスターミナル1期は25年の開業目指す

新バスターミナル計画地の 雲井通5・6丁目エリア

 中・長距離バスターミナル整備は、駅周辺の6カ所に分散している中・長距離バス停留所を集約した新ターミナルを整備する。商業のほか、1500席以上の文化ホールや三宮図書館といった文化芸術、宿泊などの機能を複合化させた再開発ビルとして既存の三宮バスターミナルの隣接地に建設し、わかりやすい交通結節点を創造するとともに、駅前空間の魅力・活力を生み出すのが狙いだ。
 3期に分けて整備する予定で、1期は再開発会社施行方式により25年度の供用開始を目指す。
 2期事業は再開発会社施行や再開発組合施行を候補とし、1期の状況を見ながら事業方式を決める考えだ。29年度の供用開始を目指す。3期については決まっていない。

◆市役所新2号館は延べ約5万㎡想定

市役所2号館

 バスターミナルの計画地である雲井通5・6丁目エリア(中央区、約1.6ha)には、再開発ビルでダイエーなどが入居するサンシティビルやサンパル、神戸三宮東急REIホテルが入居するコスモビルのほか、中央区役所や勤労会館などがある。
 中央区役所と勤労会館は葺合文化センターや生田文化会館と複合化した新中央区総合庁舎として、現市役所3号館用地(加納町6)に整備することになった。想定規模は延べ1万8000㎡。700-900席程度のホール機能も設ける。供用時期は21年度を見込む。
 市役所3号館の機能は現地で建て替える新2号館(同)に集約する。規模は延べ約5万㎡。25年度以降の開館を目指す。

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