【仙台城跡】大手門復元や石垣の維持管理方法を検討委が議論 19年に基本計画策定を目指す | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【仙台城跡】大手門復元や石垣の維持管理方法を検討委が議論 19年に基本計画策定を目指す

1945年の仙台空襲で焼失前の仙台城旧大手門。1938年7月撮影

 仙台市は、東日本大震災の発生に伴い停滞していた仙台城跡の整備計画を見直すため、市内で保存活用計画等検討委員会(委員長・北野博司東北芸術工科大教授)の第2回会合を開き、石垣の維持管理方法や予定していた大手門復元の課題などについて意見を交わした。8月までに保存管理や整備・活用の方針となる保存活用計画をまとめ、2019年3月までに具体的な整備内容やスケジュールを詰めた整備基本計画の策定を目指す。
 仙台城跡は、初代仙台藩主・伊達政宗が築城を開始した伊達氏の居城跡。04年度に現行の基本計画を策定し、中期期間に当たる10-19年度に仙台空襲で焼失した旧国宝・大手門(桁行約19.7m、梁間約6.8m、高さ約12.5m)の復元などを予定していたが、整備内容や時期などを見直す。
 改訂後の計画期間は、保存計画が19年度から約20年、基本計画は19-20年度の10年を予定している。
 会合では、市側が現行計画の進捗状況や史跡の概要を報告し、委員が今後の整備目的や課題などについて討議した。
 この中で、整備目的について委員からは「仙台城は、伊達氏が13代にわたり250年守り、修復を続けてきた。この流れを発信できる仕掛けが必要だ」などの意見が出された。

在りし日の大手門

 数少ない復元可能な建物となる大手門については「多くの市民から復元を求める要望が寄せられているが、復元に当たっては、代替路を整備する必要がある」「関連する他の計画との整合性などをしっかり精査するべきだ」との声が挙がった。
 このほか、石垣については維持管理や防災などの観点から、積み方や造られた年代などをデータ化した『石垣カルテ』を作成する必要があるとの認識を示した。

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