昭和基地では、建築・土木担当として、基本観測棟工事、配線配管架台工事、倉庫棟南西外壁工事などに取り組んだ。「天気が良いときは南極にいる気がしないほど、普通に工事ができた」と語る一方、「風が強いと、モノは飛びそうになったり、金属も冷たく辛かった」と振り返る。1日の勤務時間は午前8時から午後6時30分までで、30分の休憩が3回入った。
1月初旬には大きなブリザードにも見舞われ、材料が雪に埋もれたり、足場が一部崩れるなどのトラブルにも遭遇し、復旧作業や道路の除雪作業に追われ、作業が中断することもあった。2月に入ると一気に天気が悪くなった。「仕事をしたのは、1、2日だけで、それ以外の日は宿舎に待機している状況だった。こうも天気が変わるものかと驚いた」と大自然の脅威を実感した。
それでも「仕事の達成率は100%に近い形で終えることができた。大きな災害もなく終了し、ほっとして帰国できた」と表情を緩めた。