【南極地域観測隊】過酷な環境下で安心できる建物設営 ミサワホームグループの岡本さん、後閑さん、坂下さん | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

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【南極地域観測隊】過酷な環境下で安心できる建物設営 ミサワホームグループの岡本さん、後閑さん、坂下さん

左から岡本裕司さん、後閑洋希さん、坂下大輔さん

 第58次日本南極地域観測隊(越冬隊)に参加した角林工務店の岡本裕司さん、第59次夏隊に参加した栃木ミサワホームの後閑洋希さんと北陸ミサワホームの坂下大輔さんが、その任務を終えて3月に帰国した。ミサワホームグループ社員の3人は設営担当として、南極特有の過酷な環境の中、昭和基地で2020年に稼働予定の基本観測棟の建設や、既存建物のメンテナンス工事などに奮闘した。
 岡本さんは16年11月に日本を出発。現地ではブリザードに見舞われることもあり、「2-3m先も見えず、風で息ができないことに恐怖を感じた」と厳しい気象を語る。それでも、今回の任務は「今後の大工人生の励みになる充実した生活を送れた。励ましてくれた仲間がいたから続けられた」と表情を緩める。
 先遣隊として17年10月に日本を発った後閑さんは、11年に日本で昭和基地自然エネルギー棟の仮組み作業に携わったことがきっかけで南極を志した。宇宙線観測用コンテナ基礎工事ではコンクリートを手で練り、「足腰を痛めたのも良い思い出だった」と話す。3年にわたって建設を進めていた基本観測棟が上棟した際は「けがもなく迎えられ感動した」と振り返る。
 ミサワホームは1968年の第10居住棟を皮切りに、これまで南極で累計36棟、延べ5900㎡の施設を手掛けてきた。今回で4度目の参加となった坂下さんは、過酷な環境に耐える同社の建物について「高い強度だと現地で感じていた」と明かし、「その建物の中で隊員たちが半袖になってお茶を飲んでいる光景が好きだった」と目を細める。

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