【日向神話】宮崎空港に来春設置 影絵作家・藤城清治氏のステンドグラス | 建設通信新聞Digital

4月24日 水曜日

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【日向神話】宮崎空港に来春設置 影絵作家・藤城清治氏のステンドグラス

作品を細かくチェックする藤城氏(右)

 数多くの公共民間施設のステンドグラス作品を制作・施工しているステンドグラスバロック(さいたま市、臼井定一代表)が、世界的な影絵作家、藤城清治氏が原画を手掛けた大作に挑んでいる。サイズは横21m、縦3mで、藤城氏デザインのステンドグラスでは世界一の大きさ。宮崎県の空の玄関口、宮崎ブーゲンビリア空港(宮崎市)を彩るパブリックアートとして、2019年5月末に完成する予定だ。
 作品タイトルは「神の光 生命の国 愛と花 ~宮崎と日本の神秘の美しさを世界へ~」。天の岩戸や海幸・山幸など、宮崎が舞台の日向神話を描いた。
 設置者の宮崎空港ビル会社(宮崎市)は当初、日本交通文化協会(東京都千代田区)の協力で17年度に設置する計画だったが、諸般の事情により中止になった。しかし、宮崎空港のために描かれた作品を何とか実現したいと、同社創立55周年記念事業の一環として再始動させた。それに伴い、那須藤城清治美術館(栃木県那須町)のステンドグラス制作を手掛けたステンドグラス工芸家の臼井氏が制作依頼を受けた。
 作品制作の進捗は現在、全体の3分の1ほど。11日には、藤城氏本人がステンドグラスバロックの本社工房を訪れ、1時間以上にわたり色合いなどを細かくチェックした。また、宮崎空港ビルの長濱保廣会長も検品に来場した。
 作品は、ターミナルビルオアシス広場吹き抜け北側にあるからくり時計の上部窓に設置する。20年の東京五輪、宮崎で開催される国民文化祭を見据え、空港から宮崎の神話を全国、世界に発信する。臼井代表は「藤城先生のファンは世界中にいる。この作品を見るために宮崎を訪れる人もいるだろう」と話している。
 総工費は約6000万円。19年2月ごろから準備工事に入り、5月末の完成を目指す。