【伊東豊雄】さまざまなエピソードで「我がコンペティションの歴史」語る JIA建築家クラブ連続講座 | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【伊東豊雄】さまざまなエピソードで「我がコンペティションの歴史」語る JIA建築家クラブ連続講座

 日本建築家協会関東甲信越支部が主催するJIA建築家クラブ金曜の会トークイベント「建築家伊東豊雄の連続講座・アジアから発信する建築」の第2回「我がコンペティションの歴史」が13日に東京都渋谷区の建築家会館で開かれた。伊東氏は、独立した1970年代から90年代までに参加し、思いがけない勝利や予想に反した敗北、その中で出会った人たちとの交流など、半世紀近い建築設計活動の記憶をたどりつつ、自身とコンペの歴史をひも解いた。
 70年代や80年代のコンペ案については「素朴な絵を描いていた」と振り返るとともに、『横浜風の塔』では、建築家とともに参加したアーティストの「モノの考え方に衝撃を受けた」という。このプロジェクトでは、後に初めての海外プロジェクトとなる『フランクフルト市立劇場照明』でも組んだ建築照明デザイナーの面出薫氏との協働の始まりだったという。
 佳作だった『日仏文化会館』は、「表彰式に参加しなかったことを審査員だった槇文彦氏に注意された」とし、 その後も続く槇氏とのエピソードなどを紹介した。現在、3代目コミッショナーを務める「くまもとアートポリス」で担当した『八代市立博物館』は、「初めての公共建築であり、 とても緊張した上に失敗できないという気持ちが強かった」 と振り返った。
 また、『下諏訪町立諏訪湖博物館・赤岩記念館』は、「通学路として毎日歩いていた場所」に建てられたものであり、アルミを使ったデザインなどを感慨深く紹介した。このほか、『上海都市再開発計画コンペ』『ローマ現代美術館』では知られざる海外の建築家との相性や関係性などを紹介しつつ、『せんだいメディアテーク』では構造家佐々木睦朗氏との間にあったやり取りなどを語った。

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