
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
岡山市北端に当たる建部町北部地域の小坂田建設(小坂田英明社長)は、6日から降り続いた豪雨で7日には本社の脇を流れる旭川が越水、社屋も浸水した。小坂田社長は、「市内全域の被災状況が把握できていない。大きく報道されている岡山県倉敷市真備町だけでなく、大きな土砂崩れから小さな崩落まで、市内のいたるところで起きている」と現地の状況を説明する。被災直後から道路啓開や市からの要請を受けたドローンで被災状況撮影に取り組んだ。
広島市中区に本社を置く福井建設は、近隣地区に大きな被害はなかったものの、被災地が点在しており「正直、どうすれば良いのか分からないという状況」(福井正人社長、中国建設躯体工業連合会会長)と語る。14年に広島市で発生した豪雨災害では、被害地域が集中しており、人員・資機材を集中的に投下できたものの、今回は「地区の中の数件の家屋だけが被災しているという土砂崩れが、いくつもある」(同)。こうした状況が、人員・機材の投下地域の決定など組織的な対応を難しくしており、同社も豪雨時から待機していたものの、「思ったほど出動要請の声が掛かってこない」ともどかしそうに話す。
岡山市の小坂田社長は、本社周辺に被災個所が点在していることから、「地元を理解している建設会社として、緊急性があると判断した道路から啓開に当たっている」と、自らの判断で道路啓開を少しずつ進めている。被害の大きい倉敷市真備町への応援も必要と考えているものの、「地元を放っておけないので、行きたくても行けない」という。各地域の建設会社も、人員・機材を保有している企業に道路啓開指示や要請が集中しており、地元を離れられないのが実情だ。
被害個所の全容把握と他県からの応援人員・機材投入個所の決定も含め、組織的活動体制を構築する難しさを思い知らされる被害となっている。